この記事は
「不定詞には『形容詞用法』があって前の名詞を修飾する用法だとは分かるのですが、何か普通に名詞を修飾しただけだと、訳がしっくりこない時があります。何か訳し方にコツでもあるのですか?」
と疑問に思っている英文りーディング学習者に向けて書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
不定詞は3用法あり、それだけで英語初学者にとっては使い分けに苦労する英語「句」界(?)の大物、不定詞。
もちろん英文解釈においてもこの中ボス(?)(※まこちょ注:通常英文法の授業は【語】⇒ 【句】⇒【節】の順に単元が流れていくため、【句】の学習を勝手に「中ボス戦」と名付けているまこちょ、もちろんガン無視でok)は難関に位置するため、当ブログでも慎重に「不定詞」の攻略記事を書いています。
参考までに不定詞の3用法についてまとめた記事があります。確認していただけたら幸いです。
その中でも不定詞の形容詞用法は、形こそ「名詞を後ろから修飾するto不定詞」ということで単純なのですが、意外や訳出に苦労する人が後を絶ちません。
そこで今回は不定詞の形容詞用法の訳し方について徹底解説!ただ単に「~するための」だけではどうしてもつじつまが合わない形容詞用法の訳出方法について語ります。
以下の記事を読了していただくと、次の点であなたの英文解釈能力は大幅にグレートアップすることでしょう。
ぜひマスターしていただいて、今後の英文リーディング学習にお役立てください。
不定詞の形容詞用法の訳出方法は4種類ある
「不定詞の形容詞用法なんて、toの前の名詞にかければいいんだろ?簡単じゃないですか」
と考えている方は意外に多いと思うのですが、確かにその通り。
不定詞の形容詞用法は「前の名詞を修飾する」という点では難しいことなど何一つありません。形からいったら以下の図式そのままです。
名詞 ⇐ [to V…]
ですが、問題は名詞への修飾の【仕方】なんです。
形容詞用法のto不定詞が前の名詞を修飾するときのタイプは3種類。この種類をしっかり押さえておくと、どのような状況で前の名詞を修飾しているのかがすぐに分かるようになります。
かかる名詞がto Vの「主語」の場合
例
Ken has a lot of friends to speak Japanese fluently.
「ケンには日本語を流暢に話せる友だちがたくさんいる」
この文はa lot of friendsに後ろからto speak以下が修飾しています。この修飾している名詞が後ろのto speak以下の主語であることが分かるでしょうか。
試しのtoを指で隠してみてください。しっかりとSVOCの英文が浮かび上がってきますよ!
a lot of friends to speak Japanese fluently
↓
A lot of friends(S)speak(V) Japanese(O) fluently
かかる名詞がto Vの「目的語」の場合
to Vがかかる名詞はVの主語だけではありません。例えば以下の例文を見てください。
例
He has something to eat.
「彼は食べ物を持っている」
この文もto eatがsomethingを修飾していますが、somethingはeatの主語ではありません。
なんとsomethingはeatの目的語(O)なんですね。こんな修飾関係もあるんです。
something to eat
↓
eat something
「何かを食べる」
「ちょっとまった!じゃあeatの主語はいったい何なんだ?」
と思った方もいるかもしれません。もちろん主語はあります。to Vの前に主語(大抵はfor Aや名詞)がない場合は主節の主語と同じか「一般人」のため書いていないのです。したがってここは
I eat something
「私は何かを食べる」
と主語の「I」が、主節の「I」と同じですので書いていないだけなのです。
もちろん主語が主節の主語「I」と異なる場合はしっかりと書かなくてはなりません。たいがいはfor A to Vという形で表現します。
例
Bob has a lot of problems for Sachiko to deal with.
「ボブは、幸子が処理すべきたくさんの問題を抱えている」
↓
Sachiko(S) deals with(V) a lot of problems(O).
不定詞の意味上の主語について具体的に学習したい方は以下の記事がおススメです。
名詞とto Vが「同格」の関係の場合
かかる名詞とto Vの間が「同格」の関係になる場合があります。
記号で言うなら「=」、意味的には「~という」と訳語を入れるとしっくりきます。
例
I’ve always had the ambition to be a writer.
「わたしはつねに作家になろうという野心を持っていた」
この場合、the ambition「野心」= to be a writer「作家になること」と「=」で繋ぐことができますよね。
例
I had no chance to see him.
「彼に会う機会がなかった」
やはりchance「機会」= to see him「彼に会うこと」の関係があることが分かります。
toVが関係副詞節的に名詞を修飾する場合
これは結構難しいのですが、toV以下が、まるで関係副詞節のように名詞を修飾するパターンもあります。
例
It is time to go to bed now.
「さあ、寝る時間だ」
↓
It is time when you went to bed now.
以上の解説を踏まえながら以下の演習問題をリーディングしてみましょう。形容詞用法を含む英文の訳しかたが楽になっているはずです。
不定詞の形容詞用法の演習問題
Crying is the only reliable way in which young babies can signal the adults who take care of them- a way of communicating which includes a variety of cries to convey different information.
【単語・表現】
- reliable「確かな」
- signal「~に合図する」
- a variety of 「さまざまな」
- convey「伝える」
今回の課題文は1文なのですがなかなかのボリューム。しっかりと読みきってみましょう。
解説
「泣くことは…唯一の確かな方法だ」
「生まれて間もない赤ん坊が自分の世話をしてくれる大人に合図することができる(確かな方法)」
あとがき
- 名詞がtoVの主語の関係
- 名詞がto Vの目的語の関係
- 名詞とto Vが「同格」の関係
- 名詞にto Vが関係副詞節のように修飾する関係
となることが分かります。意外に使い分けが難しいですよね。
ぜひマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください!
また会いましょう。
不定詞の英文解釈パターンを学習したい方は以下のカテゴリ一覧をクリックしてみてください。英文リーディング上重要な不定詞の用法を集中して学習することができます。
コメント