この記事は
「仮定法のifって省略できると聞いたのですが、ifを省略してしまうと仮定法と分からなくなりませんか?ifを省略しても、文中で仮定法だ気づくための方法を教えてください!」
と仮定法について疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
英文法の単元には「仮定法」というものがあります。高校に入ってから初めて学習する単元で、「非現実なこと」や「空想」などを表す表現として登場します。
私なんか最初に仮定法を学習したとき、「英語ってウソ(非現実)を表現する英文法があるんだ!」と正直びっくりしたのを覚えています。
仮定法の基本的な使い方については以前詳しく当ブログでまとめさせていただきました。今回は「仮定法のifの省略」について英文リーディング上、気をつけなければならないことに関して徹底解説しますので、もし「仮定法って何?」と思ってしまった方は以下の記事をまずは確認してみることをおススメします。
この仮定法ですが「もし~ならば」に相当するif節(条件節)のifを省略できるんです。これは仮定法の条件節だけの特権で、通常のif節は省略できません。
例
If it rains tomorrow, I won’t go out.
「明日雨が降ったら、外出しません」
この文は条件節と主節の両方とも「過去形」ではありませんので普通の条件節。したがってifの省略はできません。ところが
例
If I were a bird, I could fly to you.
は仮定法過去と呼ばれています。したがってifが省略できてしまうんですね。
Were I a bird, I could fly to you.
「もし私が鳥なら、あなたのもとへ飛んでいけるのに」
と、こんなものifの省略の形に慣れてしまえば簡単じゃないか、と思うかもしれませんし、実際簡単です。
ところがこのifの省略のせいで、英文解釈上注意しなければならないポイントが出てきてしまうんです。
そこで今回は仮定法のifの省略が起こったときに英文中で特に注意しなければならないポイントを徹底解説!以下の記事を読むと、次の点であなたの英文解釈能力はグレートアップします。
▶ifが章省略されることによって生じる注意ポイントが分かる
ぜひ今後の英語学習にお役立てください。
仮定法のifの省略のバリエーション
まずは仮定法のifが省略されたときの形を種類別に押さえることが重要です。以下の省略パターンをしっかり押さえてください。仮定法と名のついたif節は基本省略できます。
【仮定法のif省略パターン】
- If S were ~ → Were S ~
- If S had 過去分詞 → Had S 過去分詞
- If S should V → Should S V
- If S were to V → Were S to V
- If It were not for A → Were it not for A
- If it had not been for A → Had it not been for A
うーん、結構ありますね(笑)
この仮定法のifの省略についての手順は
- ① Ifを消す
- ② S+VをV+Sと「倒置させる」※イメージがつかみにくい場合は「疑問文と同じ語順にする」と覚える
というポイントに注意してifを省略していることに注意してください。
例
If I were you, I wouldn’t do that.
↓
Were I you, I wouldn’t do that.
「もし私があなたなら、それをしないだろう」
※仮定法過去はif節中に「be動詞・助動詞・had」が使われたときのみ省略できます。その他の一般動詞のときは省略できないことに注意しましょう。
例
If you had helped him, he would have passed the exam.
↓
Had you helped him, he would have passed the exam.
「もし君が彼を助けていたら、彼は試験に合格していただろうにね」
例
Should she come to the party, I would punch you in the face.
→ If she should come to the party, …
「もし仮に彼女がパーティーに来たら、お前の顔にパンチするわ」
例
If it were not for your help, I would fail.
↓
Were it not for your help, I would fail.
「もし君の援助がなければ、僕は失敗するだろう」
とこのように仮定法のifの省略を自由自在に操れるようにいつでも練習しておいてください。
Ifの省略がもたらす英文解釈の弊害
この仮定法のifの省略ですが、もちろん英語長文中でもバンバン登場します。
したがって英文中で、仮定法が使われていることを見切るためにはそれなりのポイントがあるのですが、仮定法の形によっては非常に分かりにくい形がありますので注意が必要です。
文中の仮定法を発見するためのコツは以下の通り。特に助動詞の過去形を見たらまずは仮定法を疑うのが重要ですね。
【英文中の仮定法の見分け方】
- ①主節に「助動詞の過去形」または「助動詞の過去形 have過去分詞」が使われている
- ②文末に「?(クエスチョンマーク)」がないのに疑問文の語順になっている
重要なのはこの2点です。このポイントに該当する箇所があったら「ifの省略」を疑っていきましょう。
※注意!
If節のなかにshouldが使われている仮定法は、主節に助動詞の【過去形】が使われないパターンもあるので要注意!助動詞の過去形を仮定法の目印にしている人は見つけられない場合があります。
例
If I should live to be a hundred, I will never understand Picasso.
「たとえ100歳まで生きても、私はピカソを理解できないでしょう」
If節が主節の「後ろ」にある仮定法は要注意!
仮定法のifの省略で一番厄介な形は、主節がif節の後ろに行ってしまったパターンです。なぜこの形が厄介なのかというと、例えば以下の例文を見てください。
例
He would have better teech if he had eaten sensibly as a child.
「子供の時に考えて物を食べていたら、現在は歯がもっと丈夫であろうに」
この例文はif節が主節の後ろにあるタイプなのですが、みなさんは中学英語で、接続詞を文中に来た場合のパターンを学習しているはずです。
その時に接続詞が「カンマ(,)」の役目を果たすことが多いので、通常接続詞の前にカンマは打たないと学習しますよね(※ちなみに接続詞の前にカンマを打つパターンはありますが、今回はオミットします)。
もちろん上記の例文も同様に、ifの前にカンマを打たないのですが、仮定法はifが省略できます。ですが仮にifが省略されたとしても、代用としてカンマをつけ直すことはありません。
He would have better teech if he had eaten sensibly as a child.
↓
He would have better teech had he eaten sensibly as a child.
そうすると一見すると、この文は最初から最後まで「1文」で構成されているように見えるのがこの仮定法ifの省略の最大の問題点。非常に読みにくい文章が出来上がるのは押さえておきましょう。
例えば以下のような英文はどうでしょう?もしかしたらなかなか仮定法と気づかないかも!?
仮定法のifの省略についての練習問題
The discussion will continue throughout the night should the need arise.
解説
- ① throughoutは「前置詞」であり、前置詞のついた名詞は主語(S)になれないこと
- ② should(助動詞)の後ろは動詞の原形が来ること
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