この記事は
「仮定法の授業で、as if~『まるで~であるかのように』という表現を学習したのですが、as ifのifって接続詞ですよね?ということは後ろには主語(S)と動詞(V)と「文」が続くと思うのですが、この前as ifの後ろの形がS+Vの形になっていない英文を読みました。そんなことってあるのでしょうか?
と疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
as if S+Vという表現は「仮定法」の単元で学習しますが、この用法、思った以上に深いです。
意味的には「まるでSがVするかのように」と訳して一見簡単なように見えるじゃないですか?ところがこの用法、ifの後ろに来る形が「文」だけとは限らないんです。
そこで今回はas if S+Vの基本的な形からif以下の意外な形まで、余すところなくご紹介したいと思います。主語(S)と動詞(V)が来ると思っているのに想定外の形が唐突に登場したらそりゃ動揺するのは当然ですからね。
ぜひ、as if構文の「意外な形」に慣れておいてください。以下の記事を最後までお読みいただくと、次の点であなたの英文解能力は向上します。
as if S+Vが使われるのは「仮定法」だけではない
まずはas ifの基本的な使い方を見てみましょう。もちろん仮定法の学習の1つとしてどの参考書にも掲載されている形です。
例①
He explains that to us as if he were a teacher.
「彼はまるで先生であるかのようにそれを私たちに説明します」
例②
She looks as if she had been sick.
「彼女はまるで病気であったかのような顔つきだ」
このようにas if 構文は「仮定法」でよく使う表現のため、as if以下は基本「過去形」か「過去完了形」になるのが普通です。
なぜifの後ろが「過去形」になるのか?と疑問に思ってしまった人は以下の記事を確認してみてください。文中に現れる仮定法の基本パターンが分かります。
口語ではS+Vが現在形(直説法)の場合あり
まずこのas if S+Vで押さえておいてもらいたいのは、この構文、口語では仮定法ではなく直説法でも普通に使うことです。つまりS+Vの箇所が現在形で表現される場合があるということですね。
例
Tom looks as if he is rich.
「トムはまるでお金持ちであるかのように見える」
また、as if S+Vですが、ifがthoughに代わっている場合があるのも注意が必要。つまりas though S+Vの形になるということです。意味は全く一緒ですのでas thoughの形に慣れておくとよいでしょう。
as ifだろうとas thoughだろうとif / thoughは「接続詞」ですから、後ろには主語(S)+動詞(V)が来る、という点をまず押さえることがas if攻略の出発点です。
ここまでのas if S+Vの使い方についてまとめると以下のようになります。
【as if 構文のポイント①】
① as if は仮定法で使う表現
⇒「as if S+過去形 / had+過去分詞」が基本形
⇒「まるで~であるかのように(~であったかのように)」
② 口語のときは直説法で表現する場合が多い
③ as though S+Vという形もあることに注意
このようにas if構文はifの後ろにS+Vがくることが基本形なのですが、以下のご紹介するas ifのパターンは、なんとifの後ろがS+Vの形をしていません。
そう、as ifには「as if +句」という形で表現することが出来るんですね。
as if + 句のバリエーションはこんなにある
as ifの後ろがS+Vじゃなくて「句」が来るということは、当たり前ですがas if S+Vの形になっていません。
しかも「句」の形ですが、不定詞句だったり分詞句だったりと非常に形が豊富です。したがって「as if + 句」は、形に慣れておかないと、まず最初は面食らいます。
① as if to V
まずはas ifの後ろがto Vの不定詞句が来ているパターンです。この時Vに来る動詞はsay / replyなどの「言う」の意味の動詞が来ることが多いですね。
例
He nodded his head as if to say “yes”.
「彼は「うん」と言うかのようにうなずいた」
例
He smiled as if to welcome her.
「彼は彼女を歓迎するかのようににこりと笑った」
② as if +分詞(~ing / ~ed)
as ifの後ろには分詞(現在分詞・過去分詞)も置くことができます。もちろん主節の主語と動詞が省略されているんですね。
例
He said so as if not knowing what to say.
「彼は申しわけ無さそうにそう言った」
↓
He said so as if (he did) not know what to say.
例
She made noise as if she was chattering away.
「彼女はあたかもぺちゃくちゃしゃべっているかのように雑音を出した」
↓
She made noise as if (she was) chattering away.
例
The fan made a sound as if blown.
「その扇風機は吹き飛ばされたような音を出した」
↓
The fan made a sound as if (it was) blown.
③ as if +前置詞句
例
Secure as if with ropes.
「ロープのようなものでしっかり固定しなさい」
例
I removed the violin from my case as if in a trance.
「まるで我を忘れたかのように、私は自分のケースからバイオリンを取り出した」
as ifの用法で注意すべきその他
最後にas ifの構文でよく持ち上がる質問についてちょっとまとめてみましょう。
質問①:as ifは文頭で使えますか?
この質問は非常に多いのですが、結論からいうと使えます。ただし極めて用例が空少ないので、メジャーな使い方ではないようです。
例
As if to guard against the rapid changes, many homes become private museums.
「急激な変化からまるで身を守るかのように、多くの家が私的な博物館となる」
またas ifにはAs if、またはIt’s not as if~で「〜というわけじゃあるまいし」という使い方があります。イディオム的な用法なのですが、この形も文頭で使われることがあります。
例
It isn’t as if he were poor.
= As if he were poor.
「彼が貧乏だというわけじゃあるまいし」
例
As if you didn’t know that!
「知りませんて顔なんかして!」
質問②:as ifは単体で使えますか?
ifが接続詞なので、後ろにはS+Vがなければならないかというとそうとも言えず、なんとas if単体で使う表現があります。As if!で「まさか!」「そんなわけあるか!」といった疑いの表現にすることができるとはびっくりですね。
例
A: Hey did you read my diary yesterday?
B: As if!
A:「ねぇ、昨日私の日記読んだ?」
B:「まさか!」
例
A: Is he your boyfriend?
B: As if!
A: 「あの人君の彼氏?」
B: 「あり得ないから!」
質問③:as ifは「like」に置き換えられますか?
置き換えられます。ですが、likeを使った場合は「仮定法」ではなく「直説法」になることに注意しましょう。
例
I feel as if I didn’t have long to live.
↓
I feel like I don’t have long to live.
「私の命はもう長くはないような気がする」
例
It looks as if we’re going to have a storm.
↓
It looks like we’re going to have a storm.
「荒れ模様だ」
(引用:研究社 新和英中辞典)
as ifの後ろの形について:まとめ
今回はas ifの後ろの形について網羅してみましたがいかがでしたでしょうか。as ifについてまとめると
- ① as ifの後ろの形は主語(S)+動詞(V)だけではない
- ② as thoughの形になることがある
- ③ as ifは文頭で使うことがある(ただし極めて限定的な例外)
- ④ as if単発で使える
になります。こうしてみるとas ifをただ単に「仮定法」として片づけるにはバリエーションが多すぎですね(笑)
ぜひas ifの用法をマスターして、今後の英語リーディングにお役に立ててください、また会いましょう。
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