この記事は
「英語はnotやneverなどを使って否定表現を作ると思うのですが、この前、一見notなどを使っていないのに否定表現で解釈するものを見つけました。こういったnotなどの否定語を使わない否定表現は一体どのくらいあるのでしょうか?」
という疑問に対して応えた記事内容になります。
●こんにちは、まこちょです。
英文は通常、not(never)などの否定語を使って否定文を作るのが普通ですが、英語学習が進むにつれて、「あれ?これって否定文なの?」と日本語訳を読んで驚いてしまうケースが多くなってきます。
そう、つまり英文を読んでいる本人がこの文は「否定文だ」と気づいていないケースが出てくるということです。
原因はやはり、notを見てこの文は否定文だなと学習している私たちが、いつしかnotやneverを使っていない英文を否定文と認めない思考回路になっていることがうかがえます。でもしょうがないですよね、今まで学習していた否定文はnotが出てきたのだから。
ところが実際には、英文の「否定表現」はnotを使ってないものもたくさんあります。否定語(not)を使わない否定表現は、それこそ集中して学習しなければならないくらい種類が多いんです。
そこで今回はnotなんて全く出てないのに否定表現になる語を徹底的に網羅してみました。否定表現なのに否定で訳さないなんて英文解釈としては致命的なミスですよね、だって意味が真逆ですもの(笑)
ぜひ以下の記事をじっくり読んでみてください。最後まで読了すると次の点であなたの英文リーディング力はパワーアップします。
ぜひ完全網羅していただいて、今後の英文読解にお役立てください。
これがnotを使わない否定表現のすべてだ!
まずは知らないと本当にお手上げになる否定表現からご紹介します。あくまでも私の独断で頻出順に並べてみましたのでその点はご了承くださいませ。
hardly / seldom
notを使わない否定語といったらまずはこれでしょう。高校英語で初めて登場して衝撃を受けた人も多いのではないでしょうか。
hardly=scarcelyで「ほとんど~ない」、seldom=rarelyで「めったに~ない」と表現します。準否定語と呼ばれているものでれっきとした否定語。したがって当たり前ですがnotと一緒に使ってはいけません。
例
He could hardly believe the fact.
「彼はその事実をほとんど信じられなかった」
例
I seldom try to walk.
「滅多に歩こうとしない」
このhardly / seldomの準否定語でよく質問にあがるのが、「英文中のどこに置いたらよいのか?」というものですが、非常に簡単です。困ったときはnotを置く場所を思い出してください。具体的に言うと
【準否定語(hardly / seldom)の置く場所】
- ① 一般動詞の前
- ② be動詞の後ろ
となります。また、細かい点ですが、hardlyはすぐ後ろにeverやanyをつけて表現することがあることも覚えておきましょう。どちらもhardlyを強調する表現になります。
● hardly ever「めったに~ない」
→ 「頻度」の少なさを表す
● hardly any「非常に少ない」
→ 「量」や「数」が極めて少ないことを表す
例
I hardly ever go there.
「私はあまりそこに行った事がない」
例
There are hardly any stores nearby.
「近くにあまり店が無い」
anything but
続いてよく見られる否定表現がこのanything but。「決して~ない」と訳します。どう見ても否定語に見えませんよね(笑)
例
He is anything but a useless.
「彼は無能ではない」
このanything butで注意しなければならないことは、非常によく似た表現にnothing butという表現があり非常に紛らわしいこと。ただnothing but = only「~だけ」という表現ですので注意しましょう。
例
There is nothing but music.
「音楽しかない(音楽だけだ)」
the last A to V / that S+V
これも変わった否定表現です。lastの言葉をみて思わす「最後の~」と訳を入れたくなりますが、これで「決して~しないA」と訳すんですね。
例
He’d be the last person to do something like that.
「彼に限ってそんなことはしない」
なぜこのような意味になるのでしょう?この文を直訳で訳すと「彼はそのようなことをする一番最後の人だ」となります。つまり彼は極めてそのようなことをする可能性がない人なので、上記のように「決して~ないA」という訳になったのでした。
fail to V
fail は「失敗する」という意味の動詞ですが、fail to Vで「Vできない」という表現にすることができます。主に過去形で使うのがポイント。
例
I failed to solve the problem.
「私は問題を解けなかった」
ちなみにこのfail toですが、前にneverをつけるとnever fail to V「必ずVする」となります。
例
He never failed to keep his promise.
「彼は必ず約束を守った」
be free from / be far from
「決して~ない」シリーズはまだまだ続きます(笑)。be free fromは「~から自由だ」とや訳さないようにしましょう。
be free fromとbe far fromの違いはよく資格試験等で問われるところです。be far fromはfromの後ろに名詞だけではなく「形容詞」も来ることができるのは覚えておくといいでしょう(形容詞の前のbeingが省略されています)。
例
He is far from (being) happy.
「彼は全く幸せではない」
例
Twenty thousand yen for a T-shirt is far from cheap!
「Tシャツに2万円なんで、とても安いとは言えない!」
また、be free fromは後ろに「不安・苦痛・心配など」を表す名詞が入るのが特徴です。
例
Her composition is free from mistakes.
「彼女の作文には間違いがない」
by no means
入試頻出。英文で使う場所もnotと同じ場所に入れます。
例
I am by no means fat.
「私は決して太りません」
above / beyond / more than
aboveは「~を超えて」「~を超越して」という意味で使うことが出来るのですが、主にbe動詞の補語(C)として使い「~ない」と否定表現にすることが可能です。
例
He is above taking a bribe.
「彼は賄賂を受け取るような人ではない」
例
The book is above me.
「その本は私には難しくてわからない」
また、似ている表現にbeyond「~を超えて」 / more than「~以上」もあります。訳し方に注意しましょう。和訳問題のときに苦労しそうですね。
例
The fellow’s insolence is beyond endurance.
「あの男の横柄さは我慢を超えている → 我慢できない」
例
That was more than I could bear.
「それはわたしには我慢できる以上だった → 我慢できなかった」
remain to be 過去分詞 / have yet to V
もうここまでくると何でもありのような…(笑)気を取り直していきましょう。
remain to be 過去分詞ですが、不定詞のto V はそもそも「これからVする」と未来志向を表します。ですがそれは裏を返せば「これからVする → まだVしていない」と一緒ですよね。
ですからremain to be 過去分詞で「まだ~されていない(ままだ)」という表現を作ることができるんです。
例
The result remains to be seen.
「その結果はまだ調べられていないままだ」
例
That remains to be proved.
「それはまだ証明されていない」
またhave to V「Vしなければならない」にyetを加えてhave yet to Vにすると「まだVしていない」という意味でやはり否定表現になります。
例
We have yet to receive your reply.
「君の返事はまだもらっていない」
notを使わない否定表現:まとめ
さて今回は、否定語を使わないで否定表現を表す語句をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。何か結構ありましたよね(笑)とりあえず今回まとめた否定表現は以下のようになります。
【notを使わない否定表現一覧】
- hardly 「ほとんど~ない
- seldom 「めったに~ない」
- the last A to V / that S+V「決して~しないA」
- fail to V「Vしない」「Vできない」
- be far from / be free from 「決して~ない」
- by no means 「決して~ない」
- above / beyond / more than 「~ない」
- remain to be 過去分詞「まだ~されていない」
- have yet to V「まだVしない」
う~ん…英語学習って大変ですね(笑)また会いましょう。
ちなみにnotを使った否定表現も2種類の使い方があります。ぜひこれを機会に否定表現を極めてみては?
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