この記事は
「英語の動詞には「現在形」「過去形」は、それぞれ形があるのに、なぜ未来形の形がないのですか?冷静に考えたらおかしいですよね」
と疑問に思った英語学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
さっそくみなさんに質問!します。英語の動詞って「現在形」「過去形」の形は用意されているのですが、「未来形」だけはないですよね。例えば
He plays soccer.
「彼はサッカーをする」
He played soccer.
「彼はサッカーをした」
とplayには
現在形 → play(s)
過去形 → played
はあるのですが、未来形はありません。ただplayの前にwillやbe going to などを補って表現するだけですね。なぜだと思いますか?
私も実は中学生のとき、この点に疑問を持って先生に聞きにいったことがあります。だって変じゃないですか。
そのときは、残念ながら明確な答えは返ってこなかったんですが、この【英語の動詞には未来の形がない】というのは後々まで私の頭の中に残っていましたね。
で、その後あれこれと調べたり文献にあたったりして、一応私の中で現行固まっている説(大げさだなぁ)をいかにご紹介します。もしかしたらさらに有力なものが私の前に現れるかもしれませんので、その時にまたご紹介しますね(笑)
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英語の動詞に未来形がない理由
「未来」は不確定
英語には動詞に「未来」を表す形がないですが、これって長い英語の歴史の中で忽然と「未来の形」だけ消えたわけではないようです。
英語の歴史をいくらさかのぼっても、動詞の未来形は【存在】しません。例えばplayllなんて言う形はどこまでいっても出てこないんです(playllはもちろん私の造語ですよ(/ω\))
この英語には未来形がない理由には諸説あるのですが、結局のところ未来というものは「不確定」であるという点が非常に大きいと思っています。
例えば「過去形」は文字通り「過去に確定した事柄」を表しますし、「現在形」はまさに「今の確定している」ことですよね。
ところが「未来」はどこまでいっても「予想」から脱却することが出来ません。「未来」について予想したことが合っているかどうかは「現在」にならなければわからないのです。
つまり
現在・過去 → 確定している事柄
未来 → 不確定な事柄
という理由で未来は「不確定要素」が強いので動詞に未来の形がない、というより作れなかった、という説を私は採用しています。まぁ、時の英語学者の方々が「うっかり」未来形を作るのを忘れたのかもしれませんが(笑)
未来を表す言葉は多彩
そうすると未来を表す言葉が「現在」「過去」と比べてもバリエーション豊富になるのもお分かりになるかと思うんです。
なんせ「未来」のことは誰も予測できない不確定な要素が強いですから、100%「これだ!」
ということが誰にもできません。
したがって未来を表す表現は「~だろう」だったり「~する予定だ」、または「~しよう」だったりと、とにかく豊富。何度も言いますがそれが確定するのは「現在」になってからですからしょうがないですよね。
例えばみなさんがおそらく知っている未来表現といったらwillとbe going toでしょうか。
例
I will visit the museum next week.
「 私は来週博物館を訪れようと思う」
Bob is not going to make lunch.
「ボブは昼食を作らないつもりだ」
ところがですね。このwillとbe going toですら実はびみょ~に意味合いは異なりますし、さらに言えば未来形を表す表現はこの2つだけではありません。
そこで今回は「未来形表現」について徹底的に解説しようかなと考えています。中には「え?この表現も未来形なの?」といったものまでありますので、ぜひマスターしていただければと思います。結構多いんですよこれが(/ω\)
試しに未来表現にすることが出来るものをすべて列挙してみましょう。なんとこんなにあるんです。
【未来表現のいろいろ】
① will
② be going to
③ 現在進行形
④ 現在形
読者の方の中には、この未来表現のラインナップを見て「①と②はともかく③と④は何だよ!?だって『現在』って書いてあるじゃないか!」と憤慨して思わずメールを閉じようと思った方もいるんじゃないでしょうか(笑)
さすがに不確定要素が多い「未来」を表す表現、実に細かいセッティングがあるんですね。
しかし手をこまねいて眺めているわけにはいきません。これだけの種類の未来表現があるわけですから、当然使い方も異なるはずです。そうでなかったらこれだけの種類に分類する意味がないですから。
ぜひ以下の内容を完全にマスターして、未来形を使いまくってみてくださいね!
will
まず非常にポピュラーな未来表現といったらwillですが、やはり特徴があります。特に中学英語でwill = be going toと学習している方は、実はこの2つもしっかりと使い分けていることを押さえるのが重要です。
【willの特徴】
①無計画・とっさに決まったこと
②意思を含む
未来表現のwillは一言でいうと「無計画」。その場でとっさに決まった未来のことを表します。
例えば以下の例文はどうでしょうか。
レストラン等で「ご注文は?」と聞かれたとき、「コーヒーお願いします」という時も
例
I‘ll drink some coffee, please.
と表現します。この時willを使うのは「とっさに決まったこと」だからですね。
またwillは「助動詞」の仲間ですが、基本的に助動詞というのは主語(S)の「意思」を表す用法であることは覚えておきましょう。
よく、【助動詞を使った文は「人」が主語(S)になることが基本】と言われるのは、別に人じゃなくてもいいのですが、「意思」を持つことができるのが主に「人」だからですね。
例「行くよ」
I will go.
この英文にwillを使っているのは「行くよ」に「意思」が込められているからです。
ところでこの英文をbe going toで書き換えたらダメなのでしょうか?中学英語でwill = be going toと学習したはずだが…と思っていしまった方は以下のbe going toとwillの違いをしっかり押さえておきましょう。
be going to
be going toの特徴を一言でいうと「計画的」であること。手帳などにしっかりスケジュール化されている「予定」を表すんです。
まちがっても唐突に「~します」という場合には使えないんですね。「あらかじめ決まっていること」に使います。
例えば先ほどの例文をbe going toで表すとどのようなニュアンスになるでしょうか。
例
I am going to go next Sunday.
こうなると少なくとも突発的な感じはないですね。「来週の日曜日に行く」というのはあらかじめ計画されていたという意味合いになります。もう1つ、これはどうでしょうか。
例
奥さん: Are you coming home straight after work?
「仕事の後はまっすぐ家に帰ってくるの?」旦那: No, I’m going to have a drink with Mike tonight.
「いや、マイクと飲みに行くよ」
このとき、旦那さんの方はbe going to Vの方を使って未来表現をしていますよ「飲みに行くよ」ですからwillを使ってもいいような気がしますが、こんな時こそ旦那さんの「計画性」について注目してあげるべきです。
つまり、旦那さんがマイクと飲みに行くというのは「あらかじめ計画されていた予定」だったのです。もしかしたら一か月前から約束していたかもしれません。
ところがこれをwillを使って表現したらどうなりますか?
旦那: No, I will have a drink with Mike tonight.
「いや、マイクと飲みに行くよ」
そうすると、この状況は一変します。「飲みに行く」というのはとっさに決まったことであり、無計画。今この瞬間に決めた、という意味合いになるんですね。
このようにwillとbe going toは実は決して「=」なんかではないということは覚えておきましょう!
※be going toは確かに計画的だけど…
さきほどbe going toを使った場合、「あらかじめ決まっている予定・手帳なんかに記載してしまうような予定」を表すと言いました。
ところがですね。このbe going to、確かに「予定」されている計画に対して使うのですが、なんと予定されているだけで、その予定に対する「準備」は全くできていません(笑)
そう、すがすがしいほど準備不足なんです
さすが未来表現be going to、いくら計画されているとはいっても準備するかどうかは分からないよ、と「不確定要素」が満載なんです。
ところが、次に学習する「現在進行形」はどうでしょうか。am / are / is + ~ingの形を使って未来表現をするって本当ですか!?と思ってしまう方も多いかと思うのですが実は未来表現に現在進行形を使うのは極めて理にかなった理由があるのでした!
現在進行形を使った未来表現
なぜ現在進行形が「未来表現」に?と思ってしまった方も多いかもしれません。ですがここで、これまで学習したことをよく思い出してみましょう。
現在・過去というのはすでに「経験」していることですから、言うまでもなく「信頼性」はバツグン。
それに対して未来というのはまだ経験していないことですから「信頼性」はイマイチです。なんせ未来がどうなっているかなんて誰にもわからないですからね。
…何が言いたいかお分かりでしょうか?
そう、未来表現のwillとbe going toは実は「信頼性」という意味では非常にもろいのです。特にwillなんて「無計画」ですからね、そりゃ信頼しろといっても無理な話です。
【信頼度合】
be going to > will
ところが現在進行形を「未来表現」として使ったらどうでしょう?現在進行形はあくまでも「現在」ですので「信頼性」という意味では、will / be going toなど歯が立ちません。
例
I am playing tennis tomorrow.
「明日私はテニスをする予定だ」
この文はtomorrowという未来を表す言葉がありますからam playingは未来表現として使われている「現在進行形」です。
この文はbe going toよりも「超計画的」であり、なおかつ準備も万端です。テニスラケット、ボールだってもちろん用意されていますよ(笑)
ただ、相手のプレイヤーが怪我をしてしまったら、やむなく予定を変更できる柔軟さも持ち合わせているのが特徴です。
【現在進行形の未来表現】
①超計画的
②その予定に対する準備も万端
③ただし状況によっては予定内容を変更できる
これが「現在形」を使って未来表現を作るとどうなるでしょう?なんとなく想像できるのではないでしょうか
現在形を使った未来表現
ここまでくると「未来表現」の最高峰です(笑)現在形を使うと超超超計画的ですし、準備も完璧。しかも現在進行形と現在形は「安定」という点で現在形の方が上でした。
現在形は「安定」しているので、途中変更など天変地異でもない限りあり得ません。そう、ですから現在形を使った未来表現はよほどのことでは変更がない「時刻表」や「試合」を述べる時に使われるんですね。
例
The soccer season begins next month.
「来月からサッカーのシーズンだ」
【現在形の未来表現】
①シャレにならないくらい計画的
②準備もシャレになってない
③ちょっとやそこらでは変更しない
う~ん…恐ろしい(笑)
未来形表現のまとめ
最後にこの4つの未来形表現の「信頼性」について不等号で表しますね。
現在形>>>>>>>>>>>現在進行形>>>>>>>be going to >>will
ぜひこの未来形表現のニュアンスの違いを理解していただき、このように未来と言っても「不安定」要素が強いですから、動詞に未来形表現がないのだ、とご理解くださいませ。
また会いましょう。
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