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動名詞の完了形の用法は意外に深い!?完了動名詞が表す時制を理解しよう

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動名詞

この記事は

「完了動名詞っていったい何ですか?なんか主節の時制とずれているときに使うと学習したのですが今一つ分かりません。完了動名詞の用法について教えてください」

と疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。

 

● みなさんこんにちは、まこちょです。

 

 

動名詞~ingは「句」を作ることができ、意味は「~すること(~であること)」と表現します。例えば以下のような例文を学習したことがあるのではないでしょうか。

 

He is proud of being a famous actor.

「彼は有名な役者であることをを誇りに思う」

 

I am interested in writing music.

「私は作曲することに興味がある」

 

 

この赤い部分が動名詞句と言われる箇所で、必ず「~ing」からスタートし(意味上の主語がついた場合はそこから)、そして「~すること(~であること)」と名詞句として使うことができる非常に便利な用法です。

 

動名詞句についての基本的な使い方に関しては、当ブログでも記事にして攻略しています。英文解釈上非常に重要な箇所になりますので、もし動名詞句は英文中でどのように使われるのか今一つあいまいな人は下の記事をご覧になってみてください。

 

ところでこの動名詞句は「~すること」と訳すのが基本なのですが、これを「~【した】こと」と過去のことを表す場合にはどうしたらよいのでしょうか。つまり主節の時制と異なる場合です。

 

さすがに「~すること」以外、動名詞句が表現できる意味がない、ということになってしまったら少々不便です。

 

「~したこと」と過去形表現を使う場面はリーディングだけじゃなくてライティングでも表現したくなるときは結構あるはずですよね。

 

そこで今回は「~すること」を「~したこと」と表現したい場合にはどういった形で動名詞句を書くのかについて徹底解説します。

 

意外に「例外」事項も多いこの用法をこの記事でマスターすると、以下の点であなたの英文リーディング能力は著しく向上します。

 

▶「~したこと」と動名詞句で表現する方法が分かる
▶ 完了動名詞の例外事項が分かる

 

ぜひマスターしていただいて、今後の英文解釈にお役に立ててください。

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動名詞句「~ing」の基本

まず通常の動名詞句の形が、その英文を読んだ私たちに何を教えてくれているのかを簡単にまとめておきます。

 

ちなみに通常の~ingから始まる動名詞句を「単純動名詞」なんて言ったりしますが別に名称は覚えなくても大丈夫です(笑)

 

【単純動名詞句】

  • ① 主節の時制と「同じ」または「未来」の内容を表す

 

例えば先ほどの例文ですがこの英文のwriting musicの箇所は私たちに以下のようなことを伝えていることを理解することが大事です。

 

I am interested in writing music.

 

この文の主節はI am interestedの箇所。「現在形」で書かれていますよね。

 

writing musicは「単純動名詞句」ですので、この箇所の時制は主節と「同じ」つまり現在形です。

 

writing music

I write music

 

したがって、若干不自然な日本語ですが先ほどの英文はこのように私たちに言っているんです。

 

「私は(今)作曲することに(今)興味がある」

 

 

じゃあ、この英文を「私は(昔)作曲したことに(今)興味がある」という意味にしたい場合はどうしたらよいでしょうか。

 

こういったシチュエーションは実は多いです。例えば「私は幼いころにピアノの作曲をしていたらしい。ところが今現在はそんなことすっかり忘れている。私が作曲していたことに興味がある」なんて日本語を英訳しろと言われたらどうでしょうか。

 

そんなときに活躍するのが以下の動名詞句用法、「完了動名詞」です。

 

完了動名詞の意味

完了動名詞の形は「having 過去分詞」と表現します。なんとこの形で主節との時制の「ズレ」を表すことができるんですね。

 

【完了動名詞句】

  • ① having +過去分詞
  • ② 主節との時制の「ズレ」を表す。
    ● 主節が現在形のとき ⇒ having 過去分詞=「過去形」
    ● 主節が過去形のとき ⇒ having 過去分詞=「過去完了形(大過去)」

 

つまり先ほどの例文だったら、

 

 

I am interested in having written music.

「私は(昔)作曲したことに(今)興味がある」

「私は作曲したことに興味がある」

 

となるわけです。

 

He is proud of being a famous actor.

「彼は有名な役者であることをを誇りに思っている」

He is proud of having been a famous actor.

「彼は(昔)有名な役者であったことを誇りに思っている」

 

 

もちろんこの時制は動名詞句の前に「意味上の主語」があったとしても使えますよ。

 

He is proud of Kyoko(‘s) having been a famous writer.

彼女が(昔)著名な小説家だったことを彼は誇りに思う」

 

I was very sorry for your not having come with us.

あなたが一緒に来てくれなかったのが本当に残念だった」

 

※注意※rememberとforgetの後ろは「完了動名詞」にしなくていい!?

この「完了動名詞」に関してよく上がる質問があるんです。それは

 

「先生、rememberとforgetはremember+~ingで「~【した】のを覚えている」となるので、わざわざremember having 過去分詞と表現する必要がないと学習したのですが、なぜでしょうか?」

 

というもの。

 

rememberとforgetはちょっと「例外的」な動詞で、remember + ~ing / forget + ~ingで「~【した】のを覚えている・忘れる」という意味になります。

 

Iremember meeting him.

= I remember having met him.

「私は彼と出会ったことを覚えています」

 

もちろんhaving 過去分詞を使って表現することもできますが、rememberやforgetのような動詞は「彼に出会った」 ⇒ 「思い出す・忘れる」という文脈の流れになるのは明白です。

 

ですから文脈から流れが【はっきりしている】場合はhaving 過去分詞を使わなくても分かるのでイチイチ表現しないでよいことになっているのです。

 

これはrememberのほかにforget(忘れる)、deny(否定する)、regret(後悔する)などの単語で起こり、全部が全部適応されるとは限らないということは覚えておいて良いでしょう。

 

以上のことを踏まえた上で今回の英文リーディング課題にトライしてみましょう。having 過去分詞の動名詞句が出てきたら、時制の流れを意識できるようになっているはずです。

 

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完了動名詞の演習問題

【課題】
At first, Ken wouldn’t admit his own mistake on account of Bob having spoilt the plan, but I insisted on his taking responsibility for the failure.

【単語・表現】

  • wouldn’t「どうしても~しなかった」
  • admit「認める」
  • on account of ~「~の理由で・~にために」
  • spoil「台無しにする」
  • take responsibility for 「~の責任をとる」

 

解説

Ken wouldn’t admit his own mistake…
「ケンはどうしても自分自身の間違いを認めようとしなかった
 
 
スタートの文は特に難しい箇所はないと思われます。wouldn’tの訳出に戸惑うかと思いますが、最初は「ごもごも…」となんとなく濁らせ(?)ながら読み進めてbutまでいくと
 
 
 
Ken wouldn’t admit … but I insisted
 
 
 
A but Bと「等位接続詞」でつながれた文と文は「時制」が必ず同じになる、という性質を使うと、このwouldn’tは「過去表現」として使われているとわかるんです。ネタバレですが(笑)
 
 
等位接続詞の基本的な用法は、英文解釈上非常に重要なポイントになります。以下の等位接続詞のカテゴリ一覧を確認して会得してみてください。
 
 
 
 
on account of Bob having spoilt the plan,…
 
 
on account ofは「理由」を表す前置詞句で「~という理由で」。「ケンが間違いを認めなかった」理由が語られています。
 
 
 
問題はポイントはofが「前置詞」ですので、後ろの~ing…が「動名詞句」だというところ。
 
 
 
その動名詞句がhaving spoiltと「having+過去分詞」の完了動名詞句になっていることと、havingの前にBobと「意味上の主語」がついている点をしっかり理解して解釈していきます。ここまでで
 
 
Ken wouldn’t admit his own mistake (on account of Bob having spoilt the plan),
ボブがその計画をダメに【した】という理由で、ケンは自分自身の間違いを決して認めなかった」
 
 
wouldn’t admitが「過去形」なので、Bob having spoiltの時制はそれより「前」、つまり過去完了(大過去)になっていることをつかんでいければok。
 
 
 
… but I insisted on his taking responsibility for the failure.
「しかし、私は彼がその失敗の責任を取るよう主張した」
 
 
insist on で「~を主張する」。やはりonが前置詞なので後ろのtaking以下が動名詞句です。
 
 
 
主節の主語(S)と動名詞句の主語(S)が違うので、意味上の主語(his)がついている点と、having taken…ではなく、ただのtaking…なので「単純動名詞句」。insistの時制と「同じ」ことを表しています。
 
 
 
全訳「ケンはボブがその計画をダメにしたという理由で、自分自身の間違いを決して認めなかった。しかし私はケンがその失敗の責任を取るよう主張した」
 
 
 
最後に今回の英文の時制の違いを分かりやすく色分けしておきます。赤が「過去形」、青が「過去完了形(大過去)」です。
 
 
At first, Ken wouldn’t admit his own mistake on account of Bob having spoilt the plan, but I insisted on his taking responsibility for the failure.
 
 
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あとがき

 
今回は「完了動名詞」の用法について解説しました。
 
 
 
今回の動名詞句に限らず不定詞句や分詞句などの「準動詞句」は、主節との時制のズレを表すときに「have+過去分詞」の形を使うというのは重要ポイントです。
 
 
 
また英文リーディング中に「have+過去分詞」の準動詞句を見かけたら時制の違いを意識することは、正確に文意をつかむうえで役に立ちます。
 
 
 
ぜひマスターしていただいて今後の英文リーディング学習に弾みをつけてくださいね。また会いましょう。
 
 
「完了不定詞」の用法も動名詞のときと同じです。ぜひ以下の記事でがっちり理解してください!
 
https://english-reading.net/2019/07/06/kanryouhuteishi/
 
 

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