この記事は
「英語のイディオムには動物が使われていることが多いですが、『魚』ってなかなか見かけないような気がします。どんなものがあるのですか?」
という動物イディオムマニア(?)に対して記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
みなさん、「魚」を英語表現の一部に使ったものを見たことがありますか?
動物に関して、「犬派?猫派?」という質問があるように、やはり動物界のメジャーどころは『犬』『猫』なのでしょう。当ブログでも「犬」に関する英語表現は過去に紹介したことがあります。
参考までに
しかし、英語表現に登場する動物は彼らだけではありません。今回は日本語の慣用表現でもちょっとレアな『魚』をピックアップ。大体魚を使った英語表現って何か思い出せますか?
ところが意外なことに、魚を使った英語表現は種類が豊富。しかもイディオムによっては全く意味が分からないものまであって面白いです。
そこで今回は魚を使った面白英語表現をご紹介、ぜひ大物な知識を釣り上げてください!
これが「魚」を使った面白英語表現だ
「魚心あれば水心」は英語でもfishを使う?
日本語で「魚」が使われる表現として一番最初に思いつくのがこの表現。実はこの表現、英語では魚は一切出てきません。
例
Scratch my back and I’ll scratch yours.
「あなたが私の背中をかいてくれれば、私もあなたの背中をかきます」
という表現になります。背中をかくのは、確かに難しいですもんね。これは怪しげな取引のシーンなどで「そっちが応じてくれたらこっちもそれ相応に…ね」といったニュアンスで使われることが多い表現です。
日常で使えるような表現としては、If you have favor, I also have favor. といったところでしょうか。favorは「親切」「好意」という意味の単語。「もしあなたが好意を持ってくれるなら、こちらも好意を持ちましょう」という表現です。
つまりこの2つは日本語でいう「魚心あれば水心」という意味と同じです。
と、日本語との違いを確認したところで、ここからは『魚』を使った表現7選をご紹介していきます!
① there are plenty of fish in the sea
例
Don’t cry over Mike – there are plenty of fish in the sea!
「マイクのことで泣かないで。いい人は他にもいるんだから」
plenty はmanyと同じように使われ、「たくさんの」という意味を持つ単語です。文法もとても平易で、一見すると中学生の英語の教科書に載っていそうな表現ですが、口語表現で使われる場合には意味が変わってきます。
主に恋愛の話をしているシーンで使われ、「いい人はまだ他にもたくさんいる」という意味になります。単に海にいる魚の種類の話をしているわけではないのですね。
これは知識がないと、「恋バナしてたのにいきなり魚の話してるぞ?」と混乱してしまいます。ぜひ知っておきたい表現ですね。
日本語では「(いい人は)星の数ほどいる」という言い方をしますね。日本語と英語で海と空の違いは有れど、決して選択肢は少なくないのは共通見解なのでしょう。たとえ一つの恋が終わったとしても、そこで立ち止まり続けてしまと他の美味しい魚を逃してしまうかもしれませんね。
② have other fish to fry
例
A: Please help me with my job.
「仕事手伝ってくれる?」
B: Sorry, I have other fish to fry.
「ごめん、他にやらなきゃならないことがあるんだ」
直訳すると、「料理をするのかな?」と勘違いしてしまいそうですが、この会話をしている二人は決して料理人ではありません。
魚は刻一刻と鮮度を失ってしまいます。そんな魚を調理することは優先順位が高いことですよね。そこから、「他にも優先順位が高いことがあるんだ」という表現になりました。
otherはthe otherやanotherなど、使い方に迷う表現でもあります。このタイミングで併せて復習しておくとより理解が深まるかもしれませんね!
③ like a fish out of water
例
I felt like a fish out of the water at the party.
「パーティーは居心地が悪かった」
魚は、当然ですが水から出てしまうと生きていけません。そこから、「自分がいるべき場所にいない状態にある人」を指すようになりました。
今回の例文のように、feelとセットで使うことが多い表現です。ですので、feel like a fish~と覚えてしまってもいいかもしれませんね。
ちなみに例文は、直訳すると「パーティーで、場違いなところにいる人のような気持ちだった」となります。国立大の二次試験などでは日本語訳を出題してくるところもあるので、その際にはこの例文のように「日本語としての自然さ」も意識して、“文を整える”という作業も必要になってきますね。
その際には日本語の力も必要になりますので、日本語訳を出題されるような試験に臨む場合には英語ばかりに勉強が偏らないようにしておきたいところです。
④ a big fish in a small pond
例
He is after all a big fish in a small pond. If he goes to N.W., he will face reality.
「彼は小さな池の大きな魚だよ。ニューヨークに行ったら、現実に直面するだろうね」
a big fishだけで「大物」を表すこともあります。
The Qaeda commander is a very big fish.
「アルカイダ指揮官は非常に大物である」
しかし、今回のような表現にすると、狭い世界でしか影響力を及ぼすことができない人を指します。日本語でも似たような意味を表す表現にある動物が使われていますよね。「井の中の蛙」です。
池と井戸、魚と蛙という違いはありますが、視野が狭いのはやはりどこでも褒められたものではないのですね。視野も心も懐も、海のように広く深くしておきたいものです。
⑤ drink like a fish
例
He drinks like a fish every night.
「彼は毎晩たくさん酒を飲んでいる」
魚は水の中で暮らしていますが、決してその水を飲んでいるわけではありません。ですが、口をぱくぱくと動かしている様子から、たくさん飲むというイメージがついたのでしょう。
alcoholという単語を使ってはいませんが、drinkだけで十分「酒を飲む」という意味を伝えることができます。日本語の「飲む」と同じですね。
ちなみに、この表現が生まれた17世紀ごろには、drink like an elephantという表現もあったそうなのですが、象の方はあまり定着しなかったようです。
⑥ neither fish nor fowl
例
Her work is neither fish nor fowl.
「彼女の作品はどっちつかずだな」
neither A nor Bは、「AでもBでもない」という意味の表現です。
例
I have neither pens nor pencils.
「ペンも鉛筆も持っていない」
ですのでこのneither fish nor fowlという表現を直訳すると、「魚でも鳥でもない」となります。(fowlは鳥、家禽という意味の単語です。)
日本語でも、「海のものとも山のものとも言えない」などという表現がありますが、それと少し似ていてカテゴライズが難しいものに対して使います。ただ、この表現はネガティブな意味合いで使うものです。
「どっちつかずで、理解しがたい」といったニュアンスが含まれているので、使う場面には注意が必要です。
⑦ a fish story
例
She told me that she had won the lottery, but this is a fish story.
「彼女は私に宝くじが当たったといったが、それは嘘だった」
「魚の話ってなんだ?」と思わないでください。これは「大げさに誇張された話」「盛った話」「ホラ話」といったニュアンスです。会話の中で使われることが多いので、物語的な文章中で見かける可能性があります。
この表現は主にアメリカでよく使われます。これは、釣り人が自分の釣った魚の話を周囲に話すとき、実際に釣った大きさよりも大きく見栄を張って話をした……というのが由来とも言われています。
釣果を大げさに語ってしまうのは、国境を超えた“あるある”なんでしょうか。
魚を使った英語表現:まとめ
さて、『魚』を使った英語表現、いかがでしたでしょうか。
名詞句として使えるものが多く、使われる文にも文法的に難しいものはあまりないので、比較的簡単に使いこなせるのではないでしょうか。インプットだけでは身につかないのが語学。ぜひ実際に使って、アウトプットの練習もしてみてくださいね。
またお会いしましょう。
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