この記事は
「『the 比較級, the比較級』という英語表現があるかと思うのですが、この表現って結構「形」が変わりませんか?いったいこの比較級表現はどのくらい種類があるのでしょうか?」
と悩んでいる英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V(~すればするほど(ますます)…だ)」という比較表現は非常に独特な形をしているため、英語学習者にものすごいインパクトを与えます。
通常比較級にはtheをつけないと中学英語で学習した方にとって、the+比較級という形は「こんな比較級もあるのか!」とびっくりしたかと思うんですよね。
この用法は、もともとは比較級を使った2つの英文を、接続詞asでつないだ形が変形したものです。
As she grew older, she became more beautiful.
↓
The older she grew, the more beautiful she became.
「彼女は成長すればするほど、ますます美しくなった」
この「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の構文で押さえるべき点は以下の通り。本日の記事はこの構文の【応用の】形ですので、まずは基本形を押さえておきましょう。
【the 比較級 S+V, the 比較級 S+Vの基本】
- ①「~すればするほど、ますます…だ」
- ② この構文には接続詞がない(最初のtheが接続詞の役目を果たしていると言われている)
- ③ 比較級の箇所は、もともとはS+Vの後ろにあった
- ④ 比較級は形容詞か副詞(形容詞+名詞に形になることがある)
例
The more time you have, the more work you can do.
「時間があればあるほど、たくさんの仕事ができる」
ところがです。この「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」ですが、構文通りの形をしているならまだしも、英文中ではさらに「変形」した状態で登場したりします。
この構文ですら身につけるのに苦労するのに、さらに発展した形があるなんて…非常にやっかいですが、知らないと「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の構文が使われていることすら分からない可能性すらあるんです。
そこで今回は「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の種類(パターン)を徹底的に網羅してみました。ぜひ以下の記事を最後まで読んでみてください、the 比較級の構文はこんなにパターンが豊富なのか分かります。
ぜひマスターして今後の英語学習にお役立てください。
the 比較級 S+V, the 比較級 S+Vの応用形はこれだ
以下の英文では「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の応用の形についてご紹介しています。極めて登場頻度の高い順に掲載してしますので、ぜひじっくり取り組んでみてくださいね。
「the 比較級 + S+V」のVがbe動詞のとき省略される場合がある
the 比較級の後ろには主語(S)と動詞(V)が続きますが、この動詞がbe動詞/becomeの時は「省略」される場合があることに注意しましょう。
例
The older we grow, the weaker our memory (becomes / is) .
「年を取ればとるほど、記憶力は弱くなる」
主語が代名詞の場合はS+Vが丸ごと省略される場合あり
このthe 比較級の後ろのbe動詞 / becomeの省略ですが、主語が「代名詞」の場合は主語(S)と動詞(V)が一緒に省略される場合があります。つまり形上では
The 比較級, the 比較級
という形になる場合があるということですね。
例
The more (it is), the better (it is).
「多ければ多いほど良い」
英文の省略構文も奥が深い!以下の記事でまとめて学習できます。
「the 比較級+S+V」がV+Sの形になる
これが英文中に出てくると非常に分かりにくいです。S+VのVがbe動詞の時によく起こるのですが、SとVが逆になって倒置する場合があります。
例
The more money you earn, the bigger the house is.
「金を稼げば稼ぐほど、ますます家が大きくなる」↓
The more money you earn, the bigger is the house.
このように普通のthe 比較級 S+Vの形でも「倒置」をしますが、中にはS+Vの主語に修飾語句がついて主部の部分が長くなってしまった場合にもこの現象が起こります。非常に見分けづらいので注意しましょう。
例
The more people he meets, the greater are his chances of coming into contact with someone who can have a beneficial influence on his life.
「彼は会う人の数が多ければ多いほど、自分の人生に有益な影響を及ぼしうる人と接触する機会がますます増えるのである」
英文の倒置についてはパターンがあります。以下の記事で英語の「倒置」について完全理解ができますのでおススメ!
the 比較級+S+Vが3つ以上ある場合がある
「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の構文ですが、the 比較級 S+Vが3つ以上ある場合があります。
その場合はandで結ばれた動詞が同じ属性(主節か従属節)になりますので、andの位置を冷静に判断することが重要です。
【パターン①】
The 比較級 S+V (,) and the 比較級 S+V, // the 比較級 S+V
「~すればするほど、そして~すればするほど、それだけいっそう…だ」
【パターン②】
The 比較級 S+V, // the 比較級 S+V (,)and the 比較級 S+V
「~すればするほど、それだけいっそう…だし、また(それだけいっそう)…だ」
このandの位置を見逃してしまうと、以下のような英文を正確に読むことが出来なくなってしまいます。
例 (引用:TIMEより)
The more things you are interested in, the more opportunities to be happy you have, and the less you are at the mercy of fate.
at the mercy of ~「~のなすがままになって」
andの位置に注意しましょう。この文はパターン②の訳し方になるわけですから、The more things you are interested in,の部分が従属節「~すればするほど」の部分であり、the more opportunities to be happy you have, and the less you are at the mercy of fate.の部分が主節「ますます~だ」の部分であると分かります。
訳「興味を持つものが多くなればなるほど、それだけいっそう幸せになる機会も多くなるし、運命に左右されることも少なくなる」
ちなみにこのパターンは3つ【以上】ですので、場合によっては以下のような形になっていることもあり得ますよ!
The ~, the ~, the ~, the ~, the ~, and the~.
いやぁ…出会いたくないものですよね(笑)
主節の文が「通常の語順」になっている場合がある
「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」ですが、主節の方が S+V+the 比較級のように通常の文の形になっている場合があります。この時の特徴として
- ①主節の文が必ず前になる
- ②主節の比較級の前のtheが省略される場合がある
の2点をしっかり押さえておきましょう。
例
I like the better the sweeter tea is.
「紅茶は甘ければ甘いほど、ますます好きだ」
例
Speech sounds stranger the more we attended to it.
「スピーチに注意すればするほど、それは奇妙に聞こえる」
strangerの前のtheが消えています。
the 比較級 S+Vの従属節の方が比較級【以外】の表現になることがある
最後になりますが、ここまでくると「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」とはとても言えないのかもしれません(笑)なんと従属節がまったく違う形になっているんです。
● all the 比較級 for ~ / because S+V
「~だからますます…だ」
例
I love him all the more for his poverty
「彼は貧乏だから、なおさら彼を愛している」
この場合allは後ろのtheを修飾している副詞です。
ちなみにこの用例ですが、私は通称「ツンデレ構文」と読んでいます。あくまで私個人の感想であることはご了承ください(笑)
この前、生徒から「先生、ツンデレ構文って何か難しいですよね」と言われた。
ツンデレ構文とは何?
どうやら以下のような英文を指しているらしい。
I like Ken all the better for his naughtiness.
「腕白だからますますケンが好きなんだ」ふ、ふん!ネーミングに感動したわけじゃないかんね!
— まこちょ@英語吟遊詩人 (@makocho0828gok1) November 16, 2019
例
Man is none the happier for his wealth.
「人は金があるからといってそれだけ余計に幸せだということはない」
the 比較級, the 比較級の応用形:まとめ
さて今回は「the 比較級 S+V, the 比較級 S+V」の変わった形についてパターンを完全に網羅してみましたがいかがでしたでしょうか。まとめると
「the 比較級 + S+V」の応用パターン
- ①be動詞が省略
- ② V+Sになる(倒置)
- ③ the 比較級+S+Vが3つ以上ある場合がある
- ④主節が通常語順になる
- ⑤ツンデレ構文などがある(笑)
です。どれもこれも実際の英文シーンで出くわすと慌ててしまいますので、バッチリものにしてくださいね!
また会いましょう。
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