この記事は
「SVC(第2文型)とSVO(第3文型)について注意すべきポイントは何かありますか?一応基礎的なものは押さえているつもりなのですが…」
と不安になっている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
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●みなさんこんにちは、まこちょです。
前回の記事で、SVCとSVOについて徹底的に学習しましたがいかがだったでしょうか。
特にC=補語とはいったいどういう語句を指すのか?とこれまで思っていた読者の方からの反応が多く、非常に実りの多い解説になったかと思います。
ちなみに前回の記事を読み忘れた!という方は以下の記事がバックナンバーになります。ぜひ確認してみてくださいね
さて、今回はSVC(第2文型)とSVO(第3文型)のなかで、実際に英文を書くときにこれだけは注意したい!というポイントをご紹介します。これがね、あるんですよ。
特に、以下にご紹介する点は英語学習をしていく上で、極めて勘違いしやすいポイントになりますので要注意!ぜひマスターしてくださいね。
これがSVCとSVO文型で注意すべき盲点だ!
まずはSVC(第2文型)から確認してみましょう。これがですね、実は英語学習初期で特に質問がくるところなんです。
SVCのC(補語)になれる品詞は名詞か形容詞だと前回お話したかと思うのですが、この名詞と形容詞にまつわる盲点になるんですね。
前回のお話を思い出してもらいたいのですが、SVCの最大特徴ってなんでしたっけ?
そう、それはSVCという文型は必ず「S=C」の関係になるところでしたね。
ところがこのS=Cの部分を勘違いして以下のように考えてしまう方が意外に多いのです。例えば「彼は親切だ」ですが
He is kind.
と表現するならなんら問題はないのですが、これを「彼=親切」と捉えて
He is kindness.
と表現してしまう方がいらっしゃいます。
「なんでだよまこちょ、kindnessは「親切」という意味の単語でしょ?じゃあHe = kindnessなのだから、上記のような表現だって問題ないじゃないか!」
この質問は本当にごもっとだと思うんですよね。私も高校のときにはこう考えていました。
実はSVCのCに名詞を使う場合は若干注意が必要なんです。つまりS+V+名詞ですね。
補語(C)の位置に「名詞」を使う場合は、主語(S)と【厳密に】「=」でなければ使えないというルールがあるのです。
例えばHe(S) is(V) kindness(C)ですが、Heは「生き物」です。したがってCに置く名詞は同じ属性、つまり「生き物」でなくてはなりません。
kindnessというのは「親切という【行為】」ですから、厳密にはHeと「=」になれないんですね。
ではなぜ補語(C)の位置に「形容詞」ならOKなのか。
このようにSとC(名詞)が厳密に「=」でなければCの位置に名詞を置くことができません。そうするとみなさんの中にある疑問が浮かびますよね?それは
「なぜS+V+形容詞の形はOKなのか?」
ということです。
この疑問に答えるには、そもそもなぜ補語(C)は名詞と形容詞、2つの品詞を使うことができるのかという点を説明しなければなりません。
先ほど、Cの位置に名詞を使う場合は、主語(S)と厳密に「=」でなければならないと言いました。
実はCに形容詞を使うと、この「=」性を若干【弱める】ことができるのです。記号でいったら「≒」になるんですね!
【S+V+C】
- ① Cが「名詞」→ S = 名詞(厳密に)
- ② Cが「形容詞」→ S ≒ 形容詞(厳密でなくてよい)
したがってkindnessを使う場合は形容詞のkind、happinessを使う場合にはhappyを使うのが普通です。言葉は悪いですが、うまく逃げることができるんですね。
× She is happiness
↓
◎ She is happy.
どうしてもCに厳密でない名詞を使いたかったら
ここまでで、SVCでCの位置に名詞か形容詞かどちらを使うか悩んだら、形容詞が無難であるという話をいたしましたが理解していただけましたでしょうか?
と、こんなことを書くと「どうしても厳密に「=」でなければCの位置に名詞を使ってはいけないのか?」と疑問に思っている方もいるかと思われます。
実はですね、あるんです(笑)SVCに厳密ではない名詞を使う方法が。
以下の2つの対処法を覚えておくと役に立ちますよ!
① 名詞の前にallをつける
例
He is all kindness.
② 文末にitselfをつける
例
He is kindness itself.
「彼は親切【そのもの】だ」
このallもitselfもつけることによって「名詞【そのもの】」という表現にすることができます。この表現は実際に大学入試問題でもよく見かける頻出表現です。
ここまでがSVCの第2文型で、特に注意したいポイントになります。
ちなみにこの点はTOEICのPART5でも頻出問題なのですが、意外に苦手な方は多いですよ。
そこでTOEIC系問題を経験できる記事を用意しました。将来的にTOEICを受験してみたい!方はSVCの第2文型のポイントをTOEIC風に問われるとこうなるんだ、というところに注目して実際に問題に当たってみてください。
SVO文型なのにS=Oになってしまう!?
続きましてSVO(第3文型)について注意すべきポイントですが、これは先ほどのSVCの真逆の点で重要なことがあるんです。
SVOは必ず「S≠O」になるという点でSVCと全く違う使い方なのですが、これがSVO文型にも関わらずS=Oになってしまう場合があるのはびっくりですよね。
例えばkillという動詞。この動詞は「他動詞」で必ずSVOの第3文型で使います。つまり形としては
S kill O 「SがOを殺す」
と使うんですね。ちなみにkillがSVO文型を取るのは私たちの意志は関係ありません。必ずこの文型になります。
では次の日本語訳をkillを使って、しかも能動態で英訳してもらってよろしいでしょうか。
「私は自殺した」
なんかさっきから縁起の悪い言葉を使っていますけど(笑)まぁ仕方がありません。
「私は自殺した」というのは「私が私を殺した」ということですからまともに英訳するとこうなるはずです。
I killed me.
そうすると壁にぶち当たります。なぜってkillはSVO文型を取る動詞。まちがっても主語(S)と目的語(O)に同じ意味の単語を置いてはいけないんです。
ですが上記のように英訳をしてしまった方は気づいてしまったでしょう、この英文はI = me、つまりS=Oとなっていることに!
何度も言いますが、動詞が第何文型を取るのかは動詞によって「決まって」いるのであり、私たちが「ここは何となくSVCでキメちゃう?」なんていう発想で英文を作ることは許されていないんです。
したがってkillは誰が何と言おうとSVO文型を取る動詞です(※ちなみに厳密にはkillには自動詞用法があります。ありますがここでは伏せておきます。気づいてますから大丈夫です(笑))
この辺が、英語学習の参考書で「10時間でモノにする…」とかいうタイトルは絶対にウソと言いきれる根拠になると思うんですよね。
なぜって、「この動詞は他動詞でSVOC文型を取る」とか、「この動詞は受動態の形を取らない」だとか…世の中に何個動詞があるか数えたことはありませんが、それが10時間程度で完全クリアできるなら苦労はしないですよね。
ありきたりな言い回しで恐縮なのですが、英語の原理原則は教えることができるでしょう、ですがその原理を単語の1つ1つに浸透させるためには、やはりコツコツと辞書・参考書とにらめっこするしか語学学習には方法がないんですね。
ちょっとわき道にそれました。戻りましょう。
ではkillを使って「Sは自殺した」という表現を作ることができないのか?いや、そんなことはありません。ちゃんと【逃げ道】が用意されているのです。
そう、それが「再帰代名詞」を使うというもの。
再帰代名詞も奥が深く、これだけで私のメルマガ講座だったら一か月は語れるくらいに深いのですが、今回は【逃げ道】の部分だけご紹介します。
再帰代名詞というのは名詞に-selfや-selvesをつけたものです。これで「~自身」という意味になるのですが、例えばmyselfやourselvesという形をした「特殊な代名詞」なんです。
なんとこの再帰代名詞を使うと「S=O」になってもいい、という特殊ルールがあるんですね!!つまり先ほどの英文だと
× I killed me.
↓
◎ I killed myself.
「私は私自身を殺した」
↓
「私は自殺した」
とkillがSVOでI=myselfなのだがOK!となってしまうんですよ。これは恐ろしいですよね(笑)
ちょっと練習してみましょうか。次の日本語を英作文してみましょう。
「私たちはそこで楽しんだ」※ enjoyを使って
【答え】
まず、以下の英作文は間違っています。
× We enjoyed there.
「なんでだよ!?」とか思ってはいけません。enjoyは「他動詞」で使うんですね。
いや、thereがあるじゃないか!ってthereは副詞なので目的語(O)の代わりに使うわけはいきません。つまり上の文は【絶対に】以下のようになっていなければならないんです。
We enjoyed there.
目的語が入るところ
そうすると「だって日本語訳に目的語(O)に相当する内容がないじゃないか!ないのにどうやってenjoyの後ろに語句を埋めろっていうんだ!」と若干半ギレで(?)私に向かってくるわけです(笑)
そう、ここですよ。今回のメルマガ記事で私が一番言いたいことは。
この記事内で私は何度も言いました。私たちの力では動詞がどの型(SVOC)を取るのかを決めることはできない。あくまでも動詞が第何文型を取るのかは動詞によって決まっていると。
そしてenjoyは先ほどのkillと同じSVOを取る動詞だと【決まって】いるんです。ですから何が何でも動詞の後ろには名詞を置きますよ!だってそう【決まって】いる動詞なんだから。
もうわかったでしょう。こんな時に再帰代名詞が大活躍です(笑)
We enjoyed ourselves there.
「私たちはそこで私たち自身を楽しませた」
↓
「私たちはそこで楽しんだ」
SVO文型でとかく質問が多いこの「再帰代名詞」を使った用法ですが、この用法については後で必ずじっくり攻略します。
もしちょっと再帰代名詞に興味がある!血気盛んな(?)読者の方がいらっしゃいましたら、以下の記事を読んでみてください。「まこちょ英語ブログ」ですがこの辺もしっかりまとめてあります。
SVCとSVO文型で注意すべきポイント:まとめ
さて今回はSVCとSVO文型を学習する際に必ず知っておきたい!意外な盲点について解説いたしましたがいかがでしたでしょうか。
今回の記事内容をまとめると
【SVCとSVOの要注意ポイント】
- ① SVCのCが名詞のとき、主語(S)と厳密に「=」ではない場合はCに形容詞を置く
- ② SVOで「S=O」になってしまう場合は、Oを再帰代名詞にすると大丈夫!
となります。ぜひマスターしていただいて、今後の英文リーディングにお役立てください。
なお、今回の記事は無料メルマガ「まこちょの大人のやり直し英文法」からバックナンバーとして抜粋したものです。もし興味のある方は以下の登録フォームで申し込んでくださいませ。
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