この記事は
「文中の名詞はどのような働きをするの?」
「この名詞は主語(S)なの?目的語(O)なのか今一つよく分からない」
と疑問に思っている人に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
いきなりですが、英文を読むときに一番重要な品詞は何か知っているでしょうか。
もちろん英文を作っているのは「動詞」です。動詞が「司令塔」の役目をはたして動詞の「前と後ろ」に何を置くのかを決めていますので、この品詞が一番大事なのはもちろんなのですが、動詞は基本英文に「1つ」しかありませんよね。
そう、実は英語は「名詞の言語」と言われるくらい名詞中心で英文が構成されます。しいて言うなら動詞が「司令塔」なら名詞は「兵隊」ですね。
重要なのは、動詞の周りに集中している「名詞」です。名詞が出てこない英文はありません。
したがって英文中の「名詞」がどんな働きをしているのかを正確に理解できれば、英文の骨格はしっかりと取ることができます。
そこで今回は英文中で使われる「名詞」の役割を明確にし、英文解釈を飛躍的にアップさせることを目標とします。
この記事を読むと以下の点であなたの英文解釈力は飛躍的に向上します。
▶ 英文中の名詞を制すると英文がスムーズに読めるようになる
英文中の「名詞」の役割
英文に出てくる「名詞」は面白いくらい「役割」が与えられています。というか何の役割も与えられていない名詞は英文中に存在しません。
そうすると次に問題なのは、名詞の役割っていったいどういうものがあるのか?ということになりますよね。
実は名詞の役割は以下の4つで、それほど多くないんですよ。
⇒ 主語(S) / 目的語(O) / 補語(C) / 前置詞の目的語(O)
英文中の名詞は上記のうちの必ずどれかになります。
この中で特に重要視したい名詞の役割は「主語(S)」。というのも英文を左から右にスムーズに読み込むときに、英文の主語(S)と動詞(V)を見つけるというのは、その人の英文解釈力に直結するからです。
主語(S)「~は・が」になる名詞の特徴
SV
SVC
SVO
SVOO
SVOC
いきなり唐突にSVOCの5文型を並べてみたのですが、この表から見てもわかる通り、各文型に動詞は1つ【しか】ないことがわかります(もちろん関係代名詞節や接続詞節などがからむと、その数に応じて動詞の数も増えていきますが)。
どの文型を見ても動詞の左側に主語(S)がありますが、主語(S)は必ず「名詞」がなりますので、言い換えると以下のような形になるともいえます。
名詞 + 動詞(V)
しかも名詞は前置詞が前につくと主語(V)になることはできません。つまり以下のような形は認められていないということになります。
× 前置詞+名詞+動詞(V)
「前置詞 + 名詞」の処理方法については以下の記事を参照してください
つまり主語(S)を見つけるには、以下の条件にあった「名詞」を見つけなければなりません。
① 動詞の前にある ※例外あり
② 前置詞がついていない
③ 一番最初に出てきたもの
例
【問】次の文の主語(S)を指摘しなさい
The significance of malaria history can scarcely be overrated.
上記のルールにしたがって動詞の前にある主語を見つけましょう。もちろん実践では「左から右に一読したときに主語の場所をつかまなければなりません。
The significance(S) (of malaria)(in colonial history) can scarcely be(V) overrated.
The significanceが主語(S)と分かります。
訳「植民地の歴史において、マラリアがもつ事の重大性については過大評価になることはまずない」
「前置詞のついていない一番最初に出てきた名詞が文の主語(S)になる」というルールは、英文解釈上きわめて重要なルールになります。ぜひ身につけてくださいね。
目的語(O)「~を・~に・~と」になる名詞の特徴
目的語(O)は動詞の後ろについて「~を・~に・~と」などと訳します。やはり名詞がなることができます。
ちなみに目的語(O)の特徴として動詞の後ろにつくものを指しますが、前置詞の後ろにつく名詞を「前置詞の目的語(O)」と言ったりします。
その他の目的語(O)の特徴として、主語(S)と目的語(O)の関係がありますが、目的語(O)は主語(S)と絶対に「=」の関係になりません。
例
I(S) play(V) tennis(O).
I ≠ tennis
補語(C)は形容詞と名詞がなる。
補語(C)も「名詞・形容詞」がなることができますが、目的語(O)との違いはS=Cの関係になるところです。
例
He(S) became(V) a teacher(C).
「彼は先生だ」
He = a teacher
名詞の役割に関する練習問題
では今週の英文解釈課題です。それぞれの名詞がどんな役割を与えられているかを感じながらリーディングしてみましょう。
Those with low expectations for success avoid engaging in challenging tasks.
【単語】
- expectation「期待」
- engage in 「~に従事する・携わる」
- avoid「~を避ける」
- challenging「やりがいのある」
【英文解釈】
いきなりthoseという「名詞」が入ってきます。その他の名詞がすべて「前置詞+名詞」の形になっていることを確認しておきましょう。すると動詞avoidが見えてくるはずです。
Those(S) (with low expectations) (for success) avoid(V)…
そう、いきなりですがこの文はThoseは主語(S)にならざるを得ませんね。ちなみに代名詞のthoseはthe peopleの代用として使われる場合があります。
(with ~ )と(for ~ )のそれぞれの「前置詞+名詞」はどこにかかるでしょうか?もし悩んでしまったらまずは形容詞句として前の名詞にかけてみると良いでしょう。
Those ⇐ (with low expectations)
「(期待値の低い) ⇒ 人」
ちなみに文中のwithはhavingに書き換えができることも覚えておきましょう。つまり「持っている」という訳がしっくりくるというわけですね。
expectations ⇐ (for success)
「(成功に対する)⇒ 期待」
それぞれ意味がつながることが分かります。
訳「成功に対する期待度の低い人は…を避ける」
avoidはうしろに動名詞~ingをとる動詞。enjoyやfinishなどの仲間です。
全訳「成功に対する期待度の低い人は、困難ではあるがやりがいのある仕事に携わるのを避ける」
英文中に登場する「名詞」がそれぞれ役割を持っていることを確認してほしいですね。
英文中の名詞の例外??「役割のない名詞」
最後に、ここまで英文中の名詞の役割について説明してきて恐縮なのですが、実はこの名詞についても「例外」というやつを説明しなければなりません。
そう、英文中に出てくる名詞の中で何の役割も与えられていない名詞が実はあるんです。
それが「同格」の名詞です。
例
(1) Her best friend Lisa is a nurse.
(2) John Stein, a writer from California, won the Nobel Prize.
この2つの文はそれぞれ主語の位置に名詞が二つ並んでいますよね。主語は接続詞(例えばandなど)でつながっていない限り、必ず「1つ」のはずなのですが
(1) Her best friend(名) Lisa(名) is(V) a nurse.
(2) John Stein(名), a writer(名) from California, won(V) the Nobel Prize.
と名詞が2つある場合があるのです。
もちろんこのパターンは「例外」に属しますが、前の名詞と後ろの名詞が「=」でつながる「同格」の関係になっていますので非常に分かりやすいのが特徴。
ですが一応こういった形もあるんだよ、程度に押さえておくと良いでしょう。
あとがき
さて、今回は英文中の名詞の役割についての記事でしたがいかがでしたでしょうか。
文中に出てくる名詞がどのような役割になっているのかをリーディング中の頭の動き順にまとめると
主語(S)になるかどうか or 前置詞+名詞になるか
↓
動詞に到達
↓
目的語(O)になるか補語(C)になるか(または前置詞+名詞になるか)
という頭の動きをへて英文を読んでいくことになるということが分かればバッチリです。
なれてくるとこういった一連の頭の動きが考えずに行うことができるようになりますので、ぜひ根気よく英文を読む訓練を積んでみてくださいね。
また会いましょう。
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