この記事は
『「A, not B」とか、「A rather than B」などの構文が出てくると上手く訳せないときがあります。何かコツみたいなものってあるのでしょうか?』
と悩んでいる英語リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
英語には面白いことに、等位接続詞ではないのだが等位接続詞と同じ考えで処理をした方が上手くいく表現があるんです。
等位接続詞はこのブログでも何記事かご紹介している通り、英文解釈上非常に重要なポイントになる箇所。
どのくらい重要なのかは以下の記事をご確認いただけたらその空気(?)を感じることができます。
したがって今回の表現も、実質上等位接続詞と同じ考えが必要ということで重要なことには変わりないんです。
そこで今回は「等位接続詞」として捉えていた方が絶対あなたの英文解釈に役に立つ表現をまとめてみました。
以下の記事の内容をマスターすると、次の点であなたの英文解釈能力に貢献すると考えます。
▶ やっぱり等位接続詞は重要だということがわかる
ぜひマスターしていただいて今後の英文リーディングにお役立てください。
なぜ等位接続詞と考えると都合がいいのか
ある表現は「等位接続詞」として考えた方が都合がいいー
もちろんこれに関してはちゃんとした「根拠」があります。特に大きな理由が以下の点なのですが、例えばA as well as B 「Bと同様にA」の表現を取り上げると
という点はまさに等位接続詞と同じ特徴です。
しかもas well as やrather thanと言った表現は「等位接続詞」ではないものの、その使い方が「and、but」と同じ意味に振り分けられるので、それだったらいっそのこと等位接続詞として処理したほうが理解しやすいというわけです。
では具体的にどのような表現が等位接続詞と同じ感覚で使えるのか見てみましょう。
AとBがイコール(または同類)の意味になる表現
A as well as B 「BだけでなくAもまた」
例
He has experience as well as knowledge.
「彼は知識ばかりでなく経験もある」
A as well as BはAとBを「=」でむすぶという意味ではandと使い方が一緒です(※ただし A as well as BはAのほうに意味上の重点が置かれることは覚えておきましょう)。
A especially(particularly) B「A、なかでもB」
例
All living creature, especially human beings, have their peculiarities.
「全ての生き物、特に人間は特徴を持つ」
例
She is good at all subjects, particularly at Chinese.
「彼女はすべての科目、とりわけ中国語が得意だ」
All living creature(名詞)とhuman beings(名詞)をむすんでいるという点では、等位接続詞と何ら変わらないですよね。
A (more) correctly B 「A、正確に言えばB」
例
Los Angeles lies to the south, more correctly to the southeast, of San Francisco.
「ロサンゼルスはサンフランシスコの南,もっと正確に言えば南東にある」
more correctly の前後、to the southとto the southeastをつないでいます。やはり対照はそれぞれ同じ形をしているところに注目してもらいたいです。
that is (to say) = or「すなわち」
例
He is a man of great knowledge, that is to say, a walking dictionary.
「彼は非常に知識のある人、すなわち生き字引である」
A such as B「例えばBのようなA」
例
I checked out things such as postage fees.
「その送料等を調べました」
AとBが「逆」の意味で結びつける表現
A, not B「BでなくA」
この表現は not B but Aで書き換えすることができることからわかる通り、notが等位接続詞と同じ感覚で使われています。
例
You must English, not French.
=You must not French but English.
「フランス語ではなく英語を勉強しなさい」
A if not B 「BではないにしてもA」
以外と難しいのがこの表現。最近の英文リーディングシーンでよく見ることが多いです。
突然英文中に出てくると「あれ、どうやって訳すんだっけ?」と悩んでしまう筆頭だったりしますので注意ですね(笑)。
例
We’ve also become the laughing stock of North America, if not the world.
「私たちは、世界中でとはいかなくても、北アメリカで笑いものとなっている」
例
The internet is a part of every student’s life and is valuable if not essential for doing research.
「インターネットは、生徒ひとりひとりの生活の一部となっており、リサーチを行ううえで必要不可欠と言ってはいいすぎかもしれないが、貴重な存在である」
(引用:TIME)
A rather than B = not so much B as A「BというよりA」
例
She is an actress that relies on her skills rather than her looks.
「彼女は演技派女優である」
このように等位接続詞ではないが、そうとらえて何ら問題ない英語表現はたくさんあります。
以上を踏まえた上で、以下の英文をリーディング練習してみましょう。
練習問題
All kinds of societies running by obeying rules, especially highly developed societies, have rigid laws, but everything is meaningless in primitive society or communistic society.
(引用:TIME)
【単語】
- obey「従う」
- rigid「厳しい」
- meaningless「無意味な」
- primitive society「未開社会」
- communistic society「共産主義社会」
【解説】
主節の主語(S)と動詞(V)を見つけつつ、ピリオドまでたどりつけば言うことありませんね!
前置詞のついていない最初に出てきた名詞が英文の主語(S)になるのは基本事項です。ここではAll kinds of societiesが主語(S)になるのだな、とこの時点で感じていると英文解釈に慣れているということになります。
英文の主語(S)と動詞(V)の見つけ方については、以下の記事を参考にしてください。
主語(S)を見つけるには英文中の「名詞」の扱いに長けてなければなりません。名詞は英文中でどのような働きをしているかを学習したい方はこちらの記事がおススメです。
ただし、動詞(V)がありません。どこに動詞(V)がでてくるのだろう?と気にしつつ英文を解釈していきましょう。
running by obeying rulesは分詞で前のsocietiesを修飾しています。
訳「規則にしたがって動いているあらゆる社会」
especiallyと中心にしてAとBが同じ形になっているところに注目しましょう。華麗にさばくとhave(V)と動詞が現れます。
「規則にしたがって動いているあらゆる社会、なかでも高度に発展した社会は厳格な法律を持つ」
訳「だがすべてのことは、未開、あるいは共産主義社会では意味がないのだ」
全訳「規則にしたがって動いているあらゆる社会、なかでも高度に発展した社会は… 厳格な法律を持つが、そのすべては未開、あるいは共産主義社会では意味がないものである」
あとがき
今回は等位接続詞ではないが、等位接続詞と同じ処理をするとしっくりくる用法(表現)についてご紹介しました。
特にポイントはAとBが「文法的に同じ形をする」という点です。ぜひマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください!
また、会いましょう。
等位接続詞を極めたい方は以下の記事がおススメ。あなたの英文解釈能力に貢献できれば幸いです。
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