この記事は
「英文中に見たこともない動詞が出てくると、非常にあわてます。これはやっぱり地味にボキャブラリーを増やすしか、対策はないのでしょうか?」
と悩んでいる英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英語学習者にとってやはり頭が痛い問題は、ボキャブラリーを増やすための英語学習でしょう。語学に暗記はつきもの、とはいってもやはり英単語の暗記作業は地味ですしね。
特に英単語の中でも「動詞」の意味が分からないと大変です。いくら文脈から類推しろなんて言われても「無理なものは無理」ですので、ボキャブラリー学習はまず動詞を中心に身につけるのが必須と言えます。
ところがです、そんなアンチボキャブラリー学習者(?)に夢のようなお話を今回は持ってきました。
なんと英語の動詞は、後ろの形を見るとある程度動詞の意味を特定できる、って知ってますか?
例えば 動詞(V)後ろに名詞をはさんでwithという前置詞を使うと、その動詞は「与える」か「結びつける」という意味になるとか。いや、これって便利ですよ。
つまり、動詞の後ろの形に注目して、動詞の意味をある程度グループ分けしてしまうというのは非常に有効な学習方法です。まさに暗記が苦手な英語学習者にとっては朗報と言っていいんじゃないでしょうか。
そこで今回は動詞の後ろの形について徹底的にまとめます。以下の記事を最後までお読みいただくと、次の点であなたの英文リーディング力は向上します。
▶ 英単語学習ってコツだよねと悟れる
ぜひマスターして今後の英語学習にお役立てください。
動詞の後ろの前置詞がポイント
動詞の意味が今一つわからないな、とパニックになる前に、冷静に動詞がどんな前置詞と一緒に使われているのかを観察してみましょう。
その前置詞の種類によってある程度動詞の「意味」を特定することができるんです。以下の記事で前置詞ごとに動詞をまとめてみましたので確認してみてください。
①「動詞+A with B」
まずは動詞の後ろにwithが来るパターン。この時の動詞の意味はおおむね次の2つに分類されます。
- ①「AにBを与える」
- ②「AとBを結びつける」
この2つの意味を見てもらえばよくわかるのですが、前置詞のwithというのはAとBを「合わせる」「合体させる」という意味合いで使われるんです。
【AにBを与える】
- provide A with B「AにBを与える」
- supply A with B「AにBを与える」
- entrust A with B「AにBをゆだねる」
- feed A with B「AにB(食べもの)を与える」
- impress A with B「AにBを印象づける」など
【AをBと結びつける】
- associate A with B「AとBを結びつける」
- mix A with B「AとBを混ぜる」
- identify A with B「AをBと同一視する」など
例
She provided her company with valuable information.
「彼女は会社に貴重な情報をもたらした」
例
I fed a kitten with milk.
「子猫を牛乳で育てた」
例
Do not identify a failure with a resignation.
「失敗と諦めを同一視しないで下さい」
※もちろんこの動詞(V)+A with Bの形には単純に「~と一緒に」という意味の使われ方もあります。
例
I visited Kyoto with my mother.
「私は母と一緒に京都を訪れた」
②「動詞+A from B」
動詞の後ろがA from Bにという形になったときの動詞の意味は次の3種類。fromのもともとのイメージは「AとBを離す」です。
- ①「AがBできないようにする」※Bは~ingの動名詞の形になることが多い
- ②「AとBを区別する」
- ③「BからAを得る」
【AがBできないようにする】
- prevent(keep / stop) A from ~ing「Aが~できないようにする」
- hinder A from ~ing 「Aが~するのを妨げる」
- prohibit A from ~ing「Aが~するのを禁止する」
- discourage A from ~ing「Aが~するのを思いとどまらせる」
例
This will prevent the room temperature from rising.
「室温上昇を防ぐ」
例
The airport prohibits people from bringing dogs inside.
「空港は(人々に)犬を連れて入ることを禁止している」
【AとBを区別する】
- distinguish(tell / know / discern)を A from B
例
To distinguish right from wrong is difficult.
「善悪を見極めることは難しい」
【BからAを得る】
- derive A from B
例
We derive knowledge from books.
「我々は書物から知識を得る」
③「動詞+A into B」
A into Bという形で動詞が使われたとき2種類の意味に大別されます。ですが実はこの2つの意味はつながっていることを押さえておきましょう。
まずはintoの前置詞をイメージしやすい「~の中に」の意味で使われる場合、そして~の中に入って、しまいには「~の色に染まってしまう」ニュアンスで「~に変わる」という意味があるんです。
- ① AをBの中に入れる ※A in Bにも同じ意味があり
- ② AをBに変える
【Bの中にAを入れる】
- put A into B「AをBの中に入れる」
- infuse A into B「AをBに吹き込む」
例
We put something into something else.
「我々は移し入れた」
【AをBに変える】
- change ( turn / convert ) A into B「AをBに変える」
- put (translate) A into B「AをBに翻訳する」
- divide A into B「AをBに分割する」
「AをBに翻訳する」だって「AをBに変える」と言っているようなものです。
例
Translate [Turn] the following Japanese into English.
「次の日本語を英語に訳しなさい」
例
I will divide it into three parts.
「私はそれを3つに分割する」
④「動詞+A for B」
forは A for Bで「Bが原因でAを」とforを「原因・理由」として使う場合によく使います。
したがってこの意味で使う場合は動詞が「ほめる」か「けなす(非難する)」になることがほとんど。またforには通称「交換のfor」と呼ばれるものがあり、A for Bで「AとBを交換する」という意味で使われることがあります。
- ①Bの理由でAをほめる(けなす・罰する)
- ②AをBと交換する(AをBとみなす)
【Bの理由でAをほめる(けなす・罰する)】
- blame(condemn / criticize ) A for B「Bの理由でAを非難する」
- praise(admire / thank) A for B「Bの理由でAを称賛する」
- punish A for B「Bの理由でAを罰する」
例
They blamed the driver for the accident.
「人々は運転手をその事故のことで非難した」
【AをBと交換する(AをBとみなす)】
- exchange A for B「AとBを交換する」
- buy A for B「B(お金)でAを買う」
- sell A for B「B(お金)でAを売る」
- pay A for B「B(品物)にA(お金)を支払う」
- take A for B「AをBとみなす」
例
I bought the book for five pounds.
「その本に5ポンド支払った」
例
He took her words for an apology.
「彼は彼女の言葉を謝罪と受け止めた」
⑤「動詞+A as B」
この形は非常に特徴があり、A as Bで「A=B」の関係を作ります。
しかもその時の動詞の意味は「みなす(思う・考える)」という意味の動詞が多いことも押さえておきましょう。非常に頻出度合いが高い形です。
【AをBと(A=B)とみなす、思う】
- regard (look on / see[view]) A as B「AをBとみなす」
- think of A as B「AはBだと思う」
- refer to(speak of) A as B「AはBだと言う」
例
China regards Taiwan as its own province.
「中国は、台湾を自国の省の一つと見なしている」
※注意!このA as Bは「A=B」の関係を作りますが、これはA=BがSVCの第2文型を作っているのと同じです。つまりasはちょっとしたbe動詞の役目を果たしているに等しいのです。
上記の例文でしたら
Taiwan as its own province
↓
Taiwan(S) is(V) its own province(C)
という関係を作っているんですね。
ということはSVCの関係を守ってさえいれば、Cの位置には何も名詞だけしか置けないとは限りませんよね。happyだってSVCの文型を作れるし、現在分詞だって置くことができるじゃないですか。
そう、このA as Bの表現、実はBの位置には名詞に限らず、SVCの第2文型を作るならば何でも置くことが可能なんです。
例
I regard beer as weak and uninteresting.
「ビールは弱くて退屈な[面白味のない]酒だと思う」
⑥ 「動詞+A to B」
A to Bも文中でよく見る形ですよね。基本的なtoの意味は「→」の矢印イメージで、そのニュアンスを使って次の3種類に分けることができるんです。
- ① 「AをBに与える(伝える・加える)」
- ② 「AをBのせいにする」
- ③ 「AをBにもたらす(連れていく・合わせる)」
- ④ 「AをBに変える」
とくに①の意味でtoを使う場合が多く、A→Bで「AがBに変化する」というニュアンスは非常に重要です。まるでA into Bと似ていますよね。
【AをBに与える(伝える・加える)】
- add A to B 「AをBに加える」
- do A to B「AをBに与える」
- attach A to B「AをBに付け加える」
例
I added a room to my house.
「私は家に一部屋増築した」
【AをBのせいにする】
- attribute A to B「AをBのせいにする」
- ascribe A to B「AをBのせいにする」
例
The study attributed the rise in crime to unemployment.
「調査は、犯罪の増加は失業が原因だと結論づけている」
【AをBにもたらす(連れていく・合わせる)】
- take A to B「AをBに連れて行く」
- conform(adapt/adjust) A to B「AをBに合わせる(適合させる)」
以上のことを踏まえた上で今回の課題英文に挑戦です。この動詞+A 前置詞 Bの形は意外なことにAが主語になった「受動態」の形になると途端に解釈が難しくなるようです。
そこで今回は一発勝負!以下の英文を解釈してみましょう。ちなみに受動態って何?とか思ってしまった人は、以下の問題をやる前に次の記事を斜め読みしてからトライだ(笑)
動詞の課題英文
Rick is referred to by his classmates in high school as a man of his word.
【単語・表現】
- a man of his word「約束を守る人」
解説
赤い部分からお分かりの通り、この文は「受動態」です。しかも後ろにby his classmatesなんていう受動態の定番の形があるので分かりやすいですね。
こういった場合は「能動態」に戻してみることを考えてみましょう。すると
Rick is referred to by his classmates
↓
His classmates in his school refer to Rick as…
「高校のクラスメートは、リックを…と言っている」
asの後を見るとa manとあります。つまりA as B ⇒ A = Bですから、Bが「人」ですので、Aも当然「人」、つまりRickを指していることが分かります。
His classmates in his school refer to 【Rick】= 【a man】 of his word
全訳「高校のクラスメートは、リックを約束を守る男だと言っている」
あとがき
今回は動詞の意味が分からなくても、後ろの前置詞によってある程度意味は特定できる!というお話をさせていただきました。
英単語を覚えるのは大変ですが、いい意味でこういった特徴をつかみながら要領よくサボるのもこれはこれでありかと(笑)
ぜひマスターして今後の英文リーディングにお役立てください!
また会いましょう。
主語と動詞の関係についてガッチリ学習したい方は以下のカテゴリ一覧をご覧ください。あなたの疑問点が必ず解決します。
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