この記事は
「英文を読んでいると、第1・2文型の動詞(V)の前に主語(S)がないことがあって困ってしまいます。英文はSとVが必ずあるはずなのですが…そんな時の解釈方法はどうしたらよいでしょうか?」
と疑問に思っている英語学習者向けに記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
英文リーディングをするとき、どんな人でも主節の主語(S)と動詞(V)を探して英文を読み始めるのが普通です。
というのは英文は必ずこの二つの要素、主語(S)動詞(V)があるからですよね。
どんなに英文長くなって複雑になっても、この点だけは絶対ぶれない箇所ですので、英文の主語(S)と動詞(V)を英文中から見つけられるというのは英文リーディングにとって必須事項になっています。
当サイトでも英文の主語(S)と動詞(V)をスムーズに見つけるというのは最重要テーマの1つ。したがってその見つけ方についての記事もしっかりご紹介しています。
大体の英文は上記の記事のルールに従ってくれれば、ほぼ英文の主語(S)と動詞(V)を発見することができるのですが、ごくまれにこのルールでは主語(S)を発見できない英文があるんです。
しかもそれは第1・2文型の動詞でよく起こるんですよね。
つまりこれは英文の「例外」ということになるのですが、英文を読むのに慣れていない方だと主語(S)が見つからないというのは死活問題です(笑)そりゃそうですよね。「~は(が)」の部分がないんだから。
そこで今回は通常あるはずの場所に主語(S)がない場合の対処法を教えます。以下の記事を読むと
第1・2文型の動詞(V)の前に主語(S)がない場合の対処法
がしっかりと分かるようになります。ぜひじっくり読んでいただいて、今後の英文リーディング学習にお役立てください。
なお今回は第1・2文型(S+V、S+V+C)の例外パターンについて絞って説明しています。第3・4・5文型については今回はオミットしていますのでご了承ください。
主語(S)と動詞(V)についての基本を理解する
英文の主語(S)になるためにはそれなりに細かいルールをクリアしなければならないんです。最初におさらいも含めて、ちょっとまとめてみましょう。
【英文の主語(S)になるためのルール】
- 動詞の前(左側)にある
- 前置詞のついていない一番最初に出てきた名詞
この2つのルールを最低限守らないと英文の主語(S)になれません。
例①
Of these three countries the history of Japan opens up a new horizon for us.
この文章を左から順に読んでいってスムーズに主語(S)と動詞(V)を見つけましょう。そのとき、特に先ほどのルールの②を守って主語を見つけていくのがポイントになります。
前置詞のついた名詞、つまり「前置詞+名詞」の形になっている名詞は【絶対に】主語になれませんので(実は例外はありますが今回はオミットします)、その箇所を( )でくくってみましょう。すると、
(Of these three countries) the history (of Japan) opens(V) up a new horizon for us.
青い箇所のthese three countriesとJapanはそれぞれ前に「前置詞」がついているので、どんなに頑張っても主語にはなれません。
したがってここでは動詞opensの前に唯一ある前置詞のついていない名詞、the historyが主語(S)と分かりますね。これが主語(S)の見つけ方の基本です。
訳「これらの3つの国々のうちで、日本の歴史は私たちに新たな展望を与えてくれます」
「前置詞+名詞」はどのように解釈していけばいいの?と思った方は以下の記事を参照してください
ところがこのようにあっさりと主語(S)が見つからない場合があるんです。
主語(S)が動詞(V)の前に見つからない時の対処法
第1文型(S+V)、と第2文型(S+V+C)は、通常動詞(V)の前に主語(S)があるはずなのですが、ときどきこの主語がない場合があるんです。例えば以下の例文はどうでしょうか。
例①
Down came the snow.
短い英文ですから、動詞がcameなのは見たらわかりますよね。問題は主語(S)なのですが、いくらcameの前にあるのがDownしかないからといって
×Down(S) came(V) the snow.
と考えてはいけません。downは品詞的には「副詞」で名詞ではないんです。したがって絶対に主語になれません。もう1つどうでしょう。
例②
Happy is Bob.
isが動詞ですが、happyは主語(S)になれません。happyの品詞は「形容詞」です。
× Happy(S) is(V) Bob.
とこのように動詞の前に主語(S)になれる名詞がない場合、実は対処法が決まっています。ぜひ以下のルールを押さえてください。
● 第2文型 (S+V+C) ⇒ C + V + S
先ほどの例文でいうと、例①は第1文型S+V+M(M=修飾語句)がM+V+Sとなっていて、例②は第2文型S+V+CがC+V+Sとなっているんです。
例①
The snow(S) came(V) Down(M).
↓
Down(M) came(V) the snow(S).
「雪が降ってきた」
例②
Bob(S) is(V) happy(C).
↓
Happy(C) is(V) Bob(S).
「ボブは幸せだ」
動詞(V)の前に主語(S)が見つからなかったら、動詞の「後ろ」で主語(S)を見つけてみましょう。大事なことは必ず主語(S)はどこかにあるという姿勢です。
ちなみにこのように正規の文型の形を無視した形をしている英文を「倒置」といいます。
「倒置」を発見するには正規の英文の読み方で英文を読んでいき、ルールにそぐわない形が出てきたときに頭の切り替えができるかどうかにかかっています。
「倒置」の発見方法
- 正規のルールで主語(S)を発見していく
- 主語(S)が見当たらなかったら「倒置」を疑う(動詞の後ろに主語(S)をさがす)
SVC、SVOの倒置パターンについては以下の記事を確認してみてください。倒置の文に気づきやすくなるコツが満載です!
では最後実戦練習です。大学入試で使われた長文からの抜粋ですが、以下のような英文がスラっと一発で読み切れれば最高ですね。
倒置の練習問題
【課題文】
【単語】
tiny 「小さな」
左から順番に読んでいくのは英文リーディングのお約束ですが、しっかりと主語と動詞を発見できるでしょうか。
解説
主語になる名詞は「前置詞のついていない名詞」。もちろん読みながらその名詞を探していきますが、
(Back in the fifteenth century), (in a tiny village) (near Nuremberg), lived(V)…
と前置詞がついている名詞をそれぞれカットしていったら動詞のlivedに到着してしまいました(笑)
つまりlivedの前に主語になれる名詞がないんですね。こんな時に「倒置」というパターンがあることを思い出しましょう。
つまり動詞の後ろに主語があるんです。
(Back in ~), (in ~) (near ~), lived(V) a family(S) (with~)
訳「15世紀、ニュルンベルグの近くの小さな村に、18人の子供を持つ家族が住んでいた」
第1文型と第2文型の倒置の例外について
最後にこの「倒置」なのですが、第1・2文型で発生する「倒置」の例外について説明します。まぁ倒置自体がすでに英文の例外事項なんですけど(笑)
第1・2文型の「倒置」の形は主語(S)が後ろにいった
S+V ⇒ V+S(M+V+S)
S+V+C ⇒ C+V+S
となることは今回の記事で学習しましたが、この「倒置」の形も主語が「代名詞」の場合は話が別。
主語が代名詞のときは
Lucky was the boy.
「その少年はついていた」
↓
Lucky he was.
「彼はついていた」
と C + 代名詞の主語(S) + 動詞(V)の形となって「倒置」されないのです。
通常英文というのはピリオドに近い場所には、新しい情報を置くのが普通です。その箇所に代名詞は置きません。
なぜかというと代名詞ということは、その内容は【以前に出てきたもの】であることは明白であり、すでに情報としては「古い」からです。
あくまでも英文は「みなさんがよく知っている内容 ⇒ よく知らない内容」に流れるのが読みやすい英文の構成です。
あとがき
今回は第1文型と第2文型の「倒置」の形についてご紹介しました。
ともに英文の正規の型から外れた例外的な英文ですが、大事なことは「正規の英文の型を追い求めていたら、つじつまが合わない形が出てきて、それが「倒置」の文だと気づく」そのプロセスにあります。
そのためには月並みですが、通常の文型を取る英文をしっかりと英文解釈できるようにしましょう。
そうすれば特殊な英文の形にも「変だ」ということが、誰の手も借りずに気づくことができるようになるはずです。
ぜひ今後の英文リーディングにお役立てください。また会いましょう。
倒置についての用法、考え方をもっと具体的に学習したい方は、以下のURLをクリックしてみてください。しっかりとした考えで倒置の文を見切る技を集めています。
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