この記事は
「否定の副詞が文頭に来ると『倒置』するらしいのですが、なぜ倒置するのでしょうか?」
と疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
みなさんは「倒置」ってご存じでしょうか?何か聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。
「倒置」というのはこの「5文型」の形から外れます。例えばSVOCという文型はS → V → O → Cと順番に読んでいくものですが、これが
CSVO
のような形になったりします。したがってこの「倒置」が英文中に現れると正直嫌な方は多いでしょう(笑)
せっかくSVOCの5文型を学習したのに、その型から外れる形が出てくるのですから。そりゃ「倒置大好物!」なんて方はあまりいないですよね(;^ω^)
しかもこういう「倒置」みたいな特殊構文に限ってやたらにその長文の重要な箇所に絡んだり、しまいには問題になったりと…もう勘弁してくれ!な状態になるんですよ(笑)
でも心配しないでください。この「倒置」構文ですがしっかりと攻略法が存在します。
したがってこれからしばらく「倒置」についてどっぷりつかっていただこうかなと。
倒置を学習するに当たって、以下の2点をテーマにしていきます。もちろんそれを踏まえた英文課題も待ってますよ!
① なぜ「倒置」するのか
② どうやったら「倒置」と判断できるのか
ぜひマスターして今後の和訳学習にお役立てください!
この記事は無料メルマガ「まこちょの基礎和訳演習講座」のバックナンバーになります。もし興味がありましたら、以下の登録フォームから申し込みができますのでよろしかったらいかがでしょうか。
↓↓↓↓↓
倒置の課題英文
まずは今回の課題英文から。最初は、特に予備知識もなく以下の英文を和訳してみましょう。明らかに通常の文とは違うその形をご堪能あれ(笑)
【課題英文】
Nowhere else in the universe have we been able to detect signs of culture.
※detect「見つける」
さて、和訳が完成しましたでしょうか。
では、その結果を踏まえて今回のテーマ「倒置」について解説していこうと思います。
「倒置」には2種類ある!?
まず「倒置」なんですが、2つ種類があり、目的によってその使い方が異なるというところは重要です。
その2つですが、一見して倒置していると分かるものと、少し観察する能力が必要なもの、つまり「5文型くずれ」なものがあるんですね。
① 一見して分かりやすいもの
② 文型が崩れているもの
そのうち、一見分かりやすい倒置というのが以下になります。
①文頭に否定の副詞がきたもの
②文頭にonlyがきたもの
このように①~②の「倒置」は形に特徴があるものですから、慣れてくるとすぐに倒置をしていることが判断できるんです。
そのうち今回は「倒置」として最もポピュラーな(?)「否定の副詞」が文頭に来た時に起こる倒置についてクローズアップしたいと思います!
ちなみに英語の「倒置」は具体的にどういったパターンがあるのかを知りたい方は以下の記事でも確認することが可能。ざっと目を通してみては?
↓↓↓↓↓
●「英文の倒置パターンはどんなものがあるのか?種類を全部網羅してみた」
https://english-reading.net/2019/06/14/touti-pattern/
否定の副詞が文頭に来たら要注意
まず以下の例文を見てください。
例
I have never visited Kyoto.
「私は京都を訪れたことがない」
極めて標準的な英文ですが、この英文のneverは否定の副詞です。これを文頭に移動すると
Never have I visited Kyoto.
となるんですね。否定の副詞が文頭に出ると、後ろの文が倒置するのです。
「倒置」という言葉にしっくりこない方は【疑問文の語順になる】と覚えておくと良いでしょう。
=否定の副詞+疑問文の語順になった文
ちなみに訳し方は簡単です。否定の副詞を文頭に置くのは、もちろんその部分を「強調」したいため。したがって訳出的には、その否定の副詞を元の位置に戻した形で和訳すれば問題ありません。
→ 通常文と同様に訳す
例
He little knew that his parents were waiting for him.
↓
Little did he know that his parents were waiting for him.
「両親が彼を待っているなんて、彼はまったく知らなかった」
littleが否定の副詞なので文頭に出したら後ろの文がhe knewではなく疑問文の語順のdid he knowになっているところに注目してみましょう。
He had hardly come home when she threw her arms around him.
↓
Hardly had he come home when she threw her arms around him.
「彼が帰ってくるや否や、彼女は彼に抱きついた」
hardly ~ when…という表現は「~するやいなや…だ」と解釈しますが、このhardlyは「ほとんど~ない」という否定の副詞です。
したがって文頭に出せば後ろの文が倒置するのは同じことなんですね。
倒置するのは「否定の副詞」だけではない
ところでこの否定の副詞ですが、否定の副詞は何も「1語」と決まっているわけではありません。否定を含む「句」や「節」だって、文頭に出れば倒置するんです。
「否定の副詞1語」だけなら比較的分かりやすかった「倒置」も、「句」や「節」になると途端に読みにくくなるところが厄介なところです(;^ω^)。
例えば次の英文ですがしっかりと和訳できますでしょうか。
例
In no circumstances must you get out of here.
この文って一見すると難しそうなのですがIn no circumstancesの部分が否定の語noを含んだ「副詞句」であることがポイント。
したがって後ろの文がやはり「疑問文」の語順になっていますよね。
(In no circumstances) must you get out of here.
ちなみにここで「日本語の弱点」についてちょっと触れておきますね。
実は英語のnoですが、これに上手く合う日本語訳が存在しません( ゚Д゚)
したがってnoをみたらnot ~anyに分けて訳すクセをつけるべきですね。
You must get out of here in no circumstances.
= You must not get out of here in any circumstances.
「いかなる事情があろうともあなたはここから出てはいけない」
In no other way can the matter be explained.
↓
The matter can be explained in no other way.
↓
The matter can not be explained in any other way.
「その問題は他の方法では説明できない」
なぜ否定の副詞が文頭に来ると「倒置」するのか
さて、今回の最大テーマはここです(笑)そもそも否定の副詞が文頭にでると、なぜ後ろの主節の文は「倒置」するのでしょうか。
みなさんは英文を作るとき、notやneverを使った英文は、いったいどのように表現しますか?
英語の副詞の位置については、かなり自由度があるといっても、以下のような位置には置かないですよね。
×He comes to the house never.
「彼は決してその家に来ない」
そう、否定の副詞というのはもちろん副詞ですから動詞を修飾するのですが、誤解を生まないように、【動詞の近くに置く】のが普通です。
◎He never comes to the house.
◎He does not come to the house.
その否定の副詞を【強調】するために文頭に置いているわけですが、否定の副詞を文頭に置くということは、結果的に否定の副詞と動詞の距離が空いてしまうことを意味します。
Never he comes to the house.
そうするとこの否定の副詞は一体何を修飾しているのか、見た目では判断しにくくなりますので、後ろの文を倒置することにしたわけです。
なぜ倒置するのか、ですって?倒置する=疑問文の語順になる=動詞を主語の【前】に出すですから、否定の副詞と動詞が「近く」になるでしょ?
Never does(V) he(S) come to the house.
なぜ、否定の副詞が文頭に出たとき、後ろの文が「倒置」するのかわかってもらえたでしょうか?まとめておきます。
→ 否定語と動詞をなるべく近くにするため
しかしそうは言っても、否定の副詞が「節」などを引き連れると、主節を倒置させたところで、そんなに近くに寄ったかな?的なものはあるんですけどね(笑)
本日のテーマ課題文を訳してみよう
では、先ほどの課題文をここで訳してみましょう。解説を読んだ後だと、このような一見訳のわからない形をしているこの文もしっかり形が見えてくるから不思議です(笑)
【課題英文】
Nowhere else in the universe have we been able to detect signs of culture.
Nowhere else in the universeがnoを含む「否定の副詞句」です。先ほど言った通り、noは日本語で訳しづらい。そこでno = not~anyに分けて考えつつ、元の英文に戻してみましょう。
(Nowhere else in the universe) have we been able to detect signs of culture.
↓
We have been able to detect signs of culture nowhere in the universe.
↓
We have not been able to detect signs of culture anywhere in the universe.
「宇宙のどんな場所でも、文化(が存在する)兆しを見つけることはできない」
なぜ否定の副詞が文頭にくると倒置するのか:まとめ
さて、今回は「否定の副詞が文頭に来るとなぜ倒置するのか」について徹底考察してみました。
なかなか倒置というのはさまざまな種類があり、これを全部暗記するのは少々骨が折れますよね。
ですがある程度「理詰め」で否定の副詞の倒置について押さえておくと、結構忘れないものです。ぜひマスターしていただけたらと思います。
なお、否定の副詞といったらonlyのことは外せません。これも否定の副詞ですが大学入試・大学入試に頻出の定番和訳になりますので、ぜひ同時に学習していただければと。
また会いましょう。
【お知らせ】
『ワンコイン英文和訳問題集』が出来ました!きわめて好評です(笑)
私、まこちょの詳細な解説がついた単元別の和訳演習問題になります。第一弾は「名詞構文」!
詳細は以下の記事で確認できます。問題数はとりあえず10問ですが随時増やしていく予定です。
↓↓↓↓↓
コメント