この記事は
「文頭が~edで始まる英文の解釈方法が分かりません。例えば過去形と過去分詞の形が同じ場合、どちらを使っているのか分からなくなりますし、実際にどう訳してよいか悩んでしまうんです。何かポイントみたいなものはありませんか?」
と疑問に思っている英文リーディング学習者向けに記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
文頭が「何から」始まっているかによって英文解釈のやり方を変えなければならない、というわけではありませんが(少なくとも主節の主語(S)と動詞(V)を見つけることは、どの英文パターンでも共通です)、文頭に特徴のある品詞が来た場合、ある程度パターンが決まっているので解釈方法を知っていると格段に楽になるものは存在します。
そういった文頭の種類を集めてカテゴリ化していますので、もし「文頭の攻防を極めてやるぜ!」と思っている方がいましたら、以下のURLをクリックしてみてください。
そして今回も「文頭」にかかわるお話だったりします(笑)今回のテーマは文頭の~edについての英文解釈方法を取り上げようかなと。
~ed形とわざわざ言っているのは、英語でこの形を取るのは「過去形」か「過去分詞」と2つあるからなのですが、これに「文頭」という条件が加わるとかなり使い方が限定されます。
そこで今回は「文頭の~ed形」について徹底解説!実はたった3パターンしかない英文解釈方法を完全網羅いたします。
以下の記事を読了すると、次の点であなたの英文解釈力はパワーアップします。
▶ 実は文頭の「過去形」はないということが分かる
ぜひマスターしていただいて、今後の英文解釈にお役立てください。
文頭の「過去形」はない!?
よくある質問に文頭にある~ed形が「過去形」か「過去分詞」か分からない、という質問をよくいただくのですが、心配ご無用、英語には文頭の「動詞の過去形」という形はそもそも存在しません。
例えば以下の例文を見てみてください。
Played…
いきなり~edで始まっているこの英文(単語1つですが)、このplayedは「過去形」でしょうか「過去分詞」でしょうか?なんて悩む必要がありません。
なぜなら文頭に動詞の過去形を置いてはいけないのは英文上きわめて重要なルールの1つだからです。
② 文頭で使える動詞は「原形」のみ
ですから以下のような英文は認められていないということですね。
例
× Wrote this letter yesterday.
命令文を作るときは「動詞の原形」にして使います。この形しか動詞を文頭で使うパターンはないことをよく覚えておいてください。
Write a letter.
「手紙を書きなさい」
ということは、文頭で~edの形を見たら100%過去分詞であると断定してよいということですよね。この点は英文解釈上とても重要です。
文頭の過去分詞の解釈方法は3パターン
以上のことを踏まえた上で、文頭の過去分詞についてどのようなパターンがあるのかをご紹介します。とはいってもたった3パターンしかありませんので、実は大げさに構える必要はありません。
① 後ろの名詞を修飾する過去分詞
まずはコレですね。名詞の前に修飾する過去分詞がついているパターンがよくあるパターンです。確かにこの名詞が文の主語(S)になったら過去分詞が文頭に出ているパターンが完成しますね。
例①
Excited men broke the window.
「興奮した男たちが窓を壊した」
↓
Excited ⇒ men broke the window.
例②
Used goods will not last for a long time.
「中古品はあまり長持ちしない」
↓
Used ⇒ goods will not last for a long time.
② 過去分詞の倒置の文
過去分詞が「文頭」に出て倒置しているパターンもあります。これはこれで厄介ですね(笑)
倒置についての学習記事は以下になります。
例
Attached to the moving coil is a pen arm.
↓
Attached to the moving coil is(V) a pen arm(S).
↓
A pen arm(S) is(V) attached to the moving coil.
「可動コイルに取り付けられているのは、ペン・アームである」
特に次の③のパターンとの違いを押さえてください。
③ 過去分詞… , S+Vの形 ⇒ 分詞構文Beingの省略
今回の文頭の3パターンのうちもっとも難易度が高いのはこれです。
何度も言いますが、【動詞の「過去形」は絶対に文頭に置かれることがない】ことは覚えておいてくださいね!この形をよく「過去形」が文頭に…と勘違いしてしまう方がよくいらっしゃいます。
例
Written in plain English, the book can be read without a dictionary.
「過去分詞… , S+V~」の形のときは要注意!このときは過去分詞の前にBeingが省略されている分詞構文になっています。
大事なことは、分詞構文のBeingの前には主語(S)がないわけですが、これは主節の主語(S)と同じだからです。
ですから英文解釈するときには主語を補ってあげて以下のように考えていくのが良いでしょう。
Written in plain English, the book(S)…
↓
Being written in plain English,
↓
The book is written in plain English
ここまで補えたら、前後に2つの文が出来上がっていますから、2つの文の関連をみて接続していきます。今回は「理由(~なので)」が上手くハマりそうです。
Written in plain English, the book can be read without a dictionary.
「簡潔な英語で書かれているので、その本は辞書なしで読める」
今回のように文頭にBeingを補うタイプの「分詞構文」は、文頭が「形容詞」で始まる英文を解釈するときにも使う場合があります。以下の記事でおさらいをしておくとさらに解釈力が上がりますよ。
以上のことを踏まえて、今回のリーディング問題を解釈してみましょう。驚くほどあっさり読めてしまいます。
文頭の過去分詞の練習問題
First proposed early in the 20th century, the idea of obtaining resources from asteroids continues to attract attention.
【単語・表現】
- resources「資源」
- asteroid「小惑星」
- attract attention「注目を集める」
解説
Firstは「副詞」ですからSVOCの文型には入りません。したがってこの文は実質proposedから文がスタートしていると言って良いでしょう。
動詞の過去形は文頭で使われませんので、この時点でこのproposedは「過去分詞」だ、と分かると頼もしいですね。
proposedの後ろはearly in…で「名詞」ではありませんから、名詞を修飾するパターンではないのは分かりますよね。
カンマを挟んで the idea(S)とcontinues to attract(V)とS+Vがありますので、この文は形容詞 , S+Vの形になっていることがわかります。
つまりこのproposedは前にBeingが省略されている「分詞構文」だと分かるわけです。ということは主節の主語(S)と同じですので補うと、
Proposed early in the 20th century
↓
Being proposed early in the 20th century, the idea(S)…
↓
The idea is proposed early in the 20th century
「(その)考えは20世紀初期にまず提案される」
と解釈していくことが分かるかと。
後はthe ideaについている修飾語句を確認します。obtain A from Bは「BからAを手に入れる」という表現でof ~ingは前の名詞との「同格」表現です。つまりここは
「小惑星から資源を獲得する【という】考え」
と訳していくと完璧ですね。
全訳:「小惑星から資源を獲得するという考えは20世紀初期にまず提案され、今も注目を集めている」
あとがき
今回は「文頭の過去分詞」の攻防(?)について確認してみました。いや、この形って英語が苦手な人は「過去形」!って思ってしまうんですよね。
ですが文頭に過去形は来ないんだ!と分かりさえすれば、今回の~edの処理は「過去分詞」一択になるので、いちいち悩む必要がなくなるということなんです。
ぜひ会得していただいて今後の英語学習にお役立てください。また会いましょう。
文頭の学習手順がよく分からない、という方は以下の記事を確認してみてください。
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