この記事は
「文頭がwithから始まる英文の訳し方に困っています。何かwithの意味が多すぎて今一つ解釈に悩んでしまうんです。何か訳し分けるコツみたいなものはありますか?」
と悩んでいる英語リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
文頭に突然現れるwithは意外に訳しにくいことで有名(?)です。その理由としてwithの訳出はバリエーションが豊富だからですね。
ざっと挙げただけでも「時」「理由」「条件」「譲歩」「同時」など、とにかく多い!思わずどの意味を使ったらいいんだよ…と悩んでしまうのもまぁ当然ですよね。
そこで今回は、文頭のwithに出会ったら、いったいどういった考えで読み進めたらいいのかを徹底解説します。
実はwithがもともと持っている性質をふんだんに利用すると、意外に文頭のwithの解釈は簡単だということが分かると思います。
以下の記事を読むと次の点であなたの英文リーディング能力は向上します。
▶ 実はwithのコアな意味は共通していることが分かる
ぜひマスターしていただいて今後の英文解釈学習にお役立てください。
ちなみに当ブログでは「文頭」の種類別に英文解釈の方法をまとめています。もし文頭の攻防を極めたかったら以下の記事を参照してみてください。
文頭のwithのイメージは「同時性」
まず、文頭のwithうんぬんよりも、前置詞withがもつ根本的なイメージを理解するのが非常に重要です。
そうすると実はwithの解釈は、意味こそ違えどある共通したニュアンスを持っていることが分かります。
withの基本的な意味は「随伴(付随)」
withの意味はたくさんあるのですが、全ての意味に共通するのは「随伴(付随)」というニュアンス。つまり「いっしょに」という感覚が常にあることは覚えておきましょう。
例
With my friends, I was at school after school.
「友達と一緒に、放課後、私は学校にいた」
例えばこの例文などは典型的なwithの使い方なのですが、文字通り「一緒に」と訳しています。
この場合、I=「私」と my friends =「私の友達」がwithでくっついている(随伴している)ニュアンスを感じ取っていただければと。
このwithのコアの意味を中心にして、細かい訳し方をすることが可能なんです。ちょっと種類を挙げてみますね。
【道具】「…で」
例
With a scissor, a kid was cutting papers.
「子どもはハサミで紙を切っていた」
withの後ろに「道具」が来た場合withは「~で」と訳しますが、これだってa scissor「はさみ」とa kidがwithとつながっている(随伴している)イメージなのは変わらないんです。
【原因】「…によって」「…が原因で」
withの後ろに「原因」を表す表現が来ることによって、「…によって」「…が原因で」とwithを訳すことができます。
例
With fear, my hands are shaking.
「手が恐怖で震えている」
「原因」を書いた以上、それに対する「結果」が必要ですよね。今回は「手が震えている」がその「結果」の箇所になるわけです。
つまり「原因」と「結果」は常に一緒にあるということですから、結局このwithも「付随」のニュアンスで使われていることは同じですね。
その他にも文頭のwithに限定されているわけではありませんが、さまざまな意味があります。
ですが、臆することはありません。withの根本にある意味(イメージ)をしっかり押さえておけば、実はwithという単語は様々な訳し方が可能なんです。
【その他のwithの意味】
● 対象「~に対して」
例
My parents were very strict with me when I was a kid.
「両親は私が幼いとき、大変厳しかった」
● 関連「~に関して」
例
We have a problem with parking in this area.
「私たちはこのエリアへの駐車についての問題を抱えています」
「このエリアに駐車すること」は「問題の1つ」なのですからやはり付随していると言えますね。
文頭のwith + 名詞 + αの「付帯状況」の訳し方
前置詞withの中には、with +名詞の後ろに+αがついている形があります。
これを「付帯状況」のwithと言いますが英文解釈にはしっかりとした訳し方のルールがありますので注意しましょう。
① 名詞とαは「主語と述語」の関係
⇒ ※名詞とαの間にbe動詞を補うと分かりやすい
② 訳は「名詞はαしたままで(αしながら)」が基本
αの部分 ⇒ 現在分詞 / 過去分詞 / 形容詞(句)/副詞(句)/ 前置詞など
例
With her eyes closed, she said her prayers.
この英文のwith以下を見てください。
With her eyes closed
↓
With her eyes(名詞) closed(α)
とwith + 名詞 + αの形になっています。
この時、名詞とαの間には「主語 → 述語」の関係がありますので、名詞【は/が】と訳すのがポイントです。
その時αの前にbe動詞を補ってみると分かりやすくなります。今回の例文では
her eyes(主) were closed(述)
「目が閉じられた」
↓
「目を閉じた」
と主語と述語の間には「受動」の関係があると分かるわけです。
あとは付帯状況のwithの訳しかたの基本姿勢として「~したままで、~しながら」を軸にして訳してみましょう。
With her eyes closed, she said her prayers.
「目を閉じたまま、彼女は祈りをささげた」
例
With her hair streaming in the wind, Lucy stood on the deck.
Her hair (was) streaming in the wind.
be動詞を補うと、主語と述語の間が「能動関係」であることが分かりますね。
「髪が風になびいていた」
↓
「髪を風になびかせた」
意味「髪を風になびかせながら、ルーシーはデッキに立っていた」
付帯状況のwithのその他の訳し方
付帯状況のwithは「~したままで」「~しながら」の意味が基本ですが、その他の訳し方として以下の用法があります。
もし上記の訳し方でしっくりこない場合は以下の意味を当てて見ると良いでしょう。
① 条件「名詞がαするならば」
② 原因「名詞がαするので」
例
With the button pushed, the light turns on.
「そのボタンを押すと点灯します」
the button is pushedと考えます。
条件の「~ならば、~すると」と訳すとしっくりきますね。
例
With many people talking loudly, I couldn’t focus on my work.
「多くの人がやかましく話していたので、私は仕事に集中できなかった」
many people were talking loudlyと考えます。
「仕事に集中できなかった」のは「多くの人がうるさくしゃべっていた」からで、【原因】の訳出が良いと分かります。
あとがき
今回は文頭のwithの解釈方法について解説しました。
文頭withの注意ポイントは「with + 名詞 + α」の形になったときに、名詞とαの間に「主語 ⇒ 述語」の関係があるという点。したがって「名詞【は】」と主語として訳すクセをつけるのが大事です。
ぜひマスターしていただいて今後の英語学習にお役立てください。また会いましょう。
文頭の学習手順がよく分からない!という方は以下の記事を確認してみてください!
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