この記事は
「英語には『同格』という表現がありますが、同格表現にはどのような種類があるのでしょうか?」
と疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
英語には「同格」という表現があり、英文中でもよく出てくる形なのですが、この同格表現は何も「名詞+that節」の形ばかりではありません。実は他にもまだまだあるんです。
同格表現は「~という」と訳すあたりからもお分かりの通りかなり特殊な用法です。
したがって事前に英文の「同格」のパターンはどういったものがあるのかをしっかりマスターしておくことはスムーズに英文リーディングをするのに欠かせません。
そこで今回は「同格」の全パターンを完全網羅することによって、いきなり同格表現に出くわしてもびっくりしないようにします。
以下の記事を最後まで読了すると、次の点であなたの英文解釈能力は著しく向上します。
▶ 思った以上に種類が多いので「同格ってヤバい」と悟ることができる
ぜひマスターしていただいて今後の英文リーディングにお役にたてば幸いです。
「同格」の種類は多種多様!名詞+that節だけじゃない!
なぜか「同格」というと名詞+that節の形ばかりがクローズアップされがちですが、実は思った以上に同格の世界は「深い」です。
まずは馴染みの多い形からしっかりと学習して、徐々に新しい「同格」の種類を吸収するようにしましょう。
① 名詞+that節
まずは「同格」表現といったらこれ、といてもいいくらい有名な形なのですが、これだってthat節の後の英文の形によっては「同格」にならない場合もあるんです。
この名詞+that節の形については以下の記事で半端ないくらい徹底的に解説しています。まずはこの形を突破口にして「同格」表現に慣れてみてください。
ちなみにこの名詞+that節ですが、2つほど注意点があります。以下の点はしっかり押さえましょう。
【名詞+that節の注意点】
- 節はthat節とは限らない。whether(if)節や疑問詞節も来ることができる
- 名詞とthat節は離れていてもかまわない
例
There remains the question whether he will be elected in the election.
「彼が選挙で選ばれるかどうかという問題が残っている」
例
The suggestion was made that the U.S. tax system should be improved.
↓
The suggestion = that the U.S. tax system should be improved
「アメリカの税制度を改善すべきだという提案がなされた」
②名詞+to V(不定詞の形容詞用法の「同格」)
続きまして多い形が名詞+to Vの形ですね。単元的には不定詞の形容詞用法で学習する箇所です。
不定詞もなかなか用法が多くて英語学習者泣かせなのですが、名詞と同格の関係を作るto不定詞の形は比較的分かりやすいです。
なぜなら名詞の種類がほとんど決まっているから。
【to Vと同格関係を作る名詞の種類】
- ability「能力」
- opportunity「機会」
- chance「機会」
- tendency「傾向」
- attempt「試み」
- decision「決定」
- desire 「願望」
- ambition「野心」
例えばこの「同格」表現は、もともとbe able to V「~できる」の表現のableが名詞表現のabilityに変化した、といったパターンがほとんどです。decide to V → decision to V「~するという決定」と言った具合ですね。
例
I’ve always had the ambition to be a writer.
「わたしはつねに作家になろうという野心を持っていた」
例
I had no chance to see him.
「彼に会う機会がなかった」
不定詞は本当に用法が多種多様!もし曖昧なら以下の記事を順に確認してみてください。英文リーディングに必要な不定詞の知識が丸わかりになります。
③名詞 of 名詞 / ~ing
この形も何気に英文中に出てきますよね。ofを使った同格表現です。
ofの用法については別記事にて念入りに解説する予定ですのでここでは具体的な言及は避けますが、なんとofにも「同格」を作るパターンがあるんですね。
「名詞 of 名詞」、または「名詞 of ~ing」の形になった時にofが「=」の役目を果たします。例えば
例
the art of painting
「絵画【という】芸術」
例
the habit of smoking
「喫煙【という】習慣」
といった感じで「同格」表現を作ることができます。
例
I have lived in the city of Kyoto since I came to Japan.
「来日して以来、ずっと京都市に住んでいる」
例
The fact of your meeting Mary there was just luck.
「君がメアリーにそこで会ったという事実はまさに幸運だった」
④「文+名詞」
え?こんな同格表現が?と思わずうなってしまうのがこちらの形。なんと前の文(S+V)を名詞1語で言い換えてしまうという大胆な同格表現ですね。
正直言ってこういった同格表現は事前に予備知識がないと厳しいものがありますよね。
例
Ken thought that his parents would help him finally-a faulty assumption.
「ケンは最終的には両親が助けてくれると思った。それは誤った仮説だった。
この文は【ken thought~】=【a faulty assumption】の関係が成り立っているところが注目すべきポイント。この場合、It isを名詞の前に補ってやると分かりやすくなりますよ!
⑤「節+節」
いや、これもなかなかマニアックな「同格」表現です。なんと連続した2つの節が同格の関係になっているというパターンです。
例
Her life gave him the courage to hope that he didn’t have to obey his parents, that he could create his own future.
「彼女の人生は、彼は両親に従う必要はないということ、つまり彼は自分の未来を切り開くことができるということを望む勇気を与えてくれた」
⑥ 副詞(句・節)+副詞(句・節)
最後にこちらの同格表現をご紹介します。「同格」といったら名詞がからむものと勘違いしやすいですが、実は副詞同士も「同格」の関係を作ることができるんです。
例
We are here in China.
「私たちはここ中国にいます」
例えばこの文がWe are hereだけでしたら「私たちはここにいる」という意味になりますが、これだと「ここ」があまりにも抽象的で具体性が全くないですよね。
そこでこの文にin Chinaをつけてhereが具体的に何を指しているかをはっきりさせているんです。つまりhere = in Chinaと、副詞同士が「同格」の関係になっているというわけですね。
以上のことを踏まえながら以下の課題英文にチャレンジしてみましょう。驚くほど「同格」の表現に抵抗がなくなっていることに気づくはずです。
「同格」の課題英文
The children’s faces glowed with the expectation that Santa Claus would be there while they were sleeping.
【単語・表現】
- glow「明るくなる」
解説
「子供たちの顔は、…期待でパッと明るくなった」
この箇所自体の解釈は取り立てて問題というほどのものはありません。S+Vの第1文型にwith~の修飾語句といったとてもよくあるパターン。
ですが、さりげなくexpectationについているtheには敏感になっておくべきでしょう。
通常、英語は、初めて出てきた名詞にはtheはつきません。あくまでも冠詞はa → theのように流れるのが基本です。
このようなtheは通常のtheとは異なり、「予告のthe」または「呼び込みのthe」と呼ばれ、theのついた名詞についての具体的な説明が後ろからあるよ、と教えてくれているんです。なかなか使いこなすと便利なやつですね(笑)
この英文もそう、the expectation「期待」ですが【どんな】期待なのか後ろから説明が入ります。
the expectation that S+V…と「名詞+that節」の形になっています。thatの後ろの文を見ると第1文型の「完全な文」ですので、このthatは接続詞。前の名詞と「同格」の関係を作っています。
つまり以下のように構造がとらえられた人は今回のテーマをばっちり理解できたということになります。
… [the expectation] = [Santa Claus(S) would be(V) there…]
「眠っている間に、サンタクロースがそこにやってくる【という】期待」
全訳「眠っている間に、サンタクロースがそこにやって来るという期待で子供たちの顔はパッと明るくなった」
あとがき
今回は「同格」の種類について解説しました。思った以上に種類が多くて戸惑ってしまいますよね。まとめると
- ①名詞+that節(完全な文)/ whether節 / 疑問詞節
- ②名詞+to V
- ③A of B / A of ~ing
- ④文+名詞節
- ⑤節+節
- ⑥副詞(句・節)+副詞(節・句)
となります。上位ほどよく出る形になりますので、ぜひマスターしていただけたら幸いです。
また会いましょう。
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