「関係代名詞を含む文で、先行詞がthe ease やthe extentである文を訳すことが出来ません。このthe ease with which~はなんか訳し方のコツみたいなものはあるのでしょうか?」
と悩んでいる英文リーディング学習者向けに記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
関係代名詞を使った文章の中には、先行詞の名詞によっては「訳し方」を知らないと解釈に非常にてこずる英文が存在します。
そう、それが今回ご紹介するthe ease with which~の表現なんです。ちなみに以下が英文なのですが訳せますか?
例
The ease with which she solved the problem surprised the teacher.
「彼女が問題を解いたのに使った簡単さは教師を驚かせた」?
上記の例文を読んで、思わず「う~ん…」と頭を抱えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
関係代名詞はwho(whom)にしろ、which / whoseにしろ先行詞を修飾するという点では変わらないのですが、今回のように先行詞がthe easeやthe extentだったりすると、直訳調に解釈してもいまひとつ意味不明な訳になってしまう場合があるのです。
実はこういった特殊な先行詞(?)は、ある程度訳出にテクニックがいることが多く、しかもそのテクニックはある程度暗記しなければならないという(笑)もちろん理詰めでもある程度は対応できますが、よどみなく解釈するにはこういった特殊な先行詞の場合の訳出方法を事前に知っておくのがいいかと思われます。
そこで今回はthe ease with which~とthe extent to which~を使った関係代名詞の文の解釈方法について徹底解説!かなりピンポイントなネタになりますが、それなりに英文中に登場しますので必ずプラスになります。
以下の記事を読むと、次の点であなたの英文解釈力は向上します。
ぜひ会得して今後の英語学習にお役立てください。
the ease with which~の訳し方にはコツがある
まずこのthe ease with which~の訳し方ですが、この箇所、実はある用法が絡んでいることを押さえるのが重要になります。
例えば先ほどの文ですが先行詞を含んだ関係代名詞節の部分を元の形に戻してみますね。すると以下のような形であったことが分かります。
The ease with which she solved the problem
↓
She solved the problem with ease.
easeは「簡単さ」という抽象名詞なのですが、「with+抽象名詞」は特殊な用法で「副詞」として訳せるのがポイントです。つまり
with ease = easily「簡単に」
と同じなんですね。この訳をthe ease with which~に活かしていきます。このとき副詞にかえた単語の前にhowを置くと訳がしっくり来ます。
もし公式みたいなものを上げるとすれば以下のようになるでしょうか。
●【the ease with which S+Vの訳し方】
the ease with which S+V
=how easily S+V「Sが(どれほど・なんとも)簡単にVすること」
したがって先ほどの例は
The ease with which she solved the problem surprised the teacher.
↓
How easily she solved the problem surprised the teacher.
「彼女は簡単に問題を解いて教師は驚いた」
と解釈するとスムーズに訳すことが出来ます。ちょっと練習してみましょう。
例
We were surprised at the ease with which she climbed the mountain.
この文を「彼女がその山に登る容易さに我々は驚いた」と解釈するのは、意味は分からないことはないですがいかにも、です。やはり先ほどの公式に置き換えて解釈するのがベストですね。
We were surprised at how easily she climbed the mountain.
「我々は、彼女が(なんとも)簡単にその山に登るのでびっくりした」
例 次の文を和訳しなさい
Many people tend to envy the ease with which bilingual people can switch from one language to the other. (東京学芸大)
【単語・表現】
- envy「~をねたむ・うらやましがる」
- tend to V「Vする傾向がある」
コツをつかんでしまうとこんな入試問題の和訳もバッチリ解けるようになりますよ。
Many people tend to envy how easily bilingual people can switch from one language to the other.
「多くの日本人は、バイリンガルの人たちが片方の言語からもう片方の言語にいとも簡単に切り替えられることをうらやましがる傾向がある」
easeの前に形容詞がつく場合がある
このthe ease with which~の用法ですが、easeは名詞ですので、当然easeを修飾する形容詞がついたりします。
例えばeaseの前にrelative、comparative「比較的な」などがついた形はよく見ますが、その場合もrelative、comparativeを「副詞」にして解釈するとうまくいきます。
relative[comparative] ease…
⇒ relatively[comparatively] easily…
「比較的簡単に」
例
This is due to the comparative ease with which we can produce and manufacture goods.
↓
This is due to how comparatively easily we can produce and manufacture goods.
「これは、物資の製造や生産が比較的容易になったお陰なのです。」
ease以外の抽象名詞を使ったパターン
このthe ease with which~の形ですが、with+抽象名詞の形は何もeaseだけ使うわけではありません。
例えばrapidity「急速さ」やintensity「強烈・猛烈さ」などを使った表現などもありますが、考え方は一緒です。よく似た使い方をするパターンをまとめてみますね。
● the rapidity with which S+V
⇒ how rapidly S+V「Sがどれほど素早くVする」
● the intensity with which S+V
⇒ how intensely S+V「Sがどれほど熱烈にVする」
例
Everybody was astonished at the rapidity with which he solved the problem.
「彼がなんとも素早くその問題を解いたことに、みんな舌を巻いた」
例
I was pleased with the rapidity with which he mastered Japanese.
「彼が(なんとも)急速に日本語を習得するので私は嬉しかった」
例
What is more important, however, is the intensity with which they fall in love.
「しかしながら、より大切なことは彼らがどれほど猛烈に恋に落ちるかだ」
the ease with which~の訳し方:まとめ
さて、今回はthe ease with which~の訳し方について具体的に解説しましたがいかがでしたでしょうか。
こうした「with+抽象名詞」は「副詞」で訳せるという特徴をうまく使わないと自分の頭に残る英文解釈がなかなかできないですよね。したがって理屈が分かったら、このthe 抽象名詞 with which~の訳し方をある程度は暗記して「慣れる」ことが必要不可欠であると分かります。
今回のthe ease with which~のポイントをまとめると
- ① 訳すときは「the+抽象名詞」を「副詞的」に訳す
- ② 副詞の前にhowを置く
- ③ある程度慣れが必要なので、例文を大量に当たる
ぜひマスターしてくださいね!また会いましょう。
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