この記事は
「関係副詞を使った文を英文解釈するのが苦手です。何かコツみたいなものはないでしょうか?」
と悩んでいる英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英文中に関係詞が出てくると、とたんに英文リーディングができなくなる方がいらっしゃいますが実は関係詞を使った英文は非常に簡単に読むことができます。
特に関係副詞の用法は関係代名詞よりはるかに簡単、しかも関係詞節を先行詞にかけて訳す「返り読み」などを全くしないで、「前」から英文を読むことができます。
そこで今回は「関係副詞」を使った英文を「前」から訳すためのコツを徹底解説!以下の記事のポイントをしっかり理解すると、面白いほど関係副詞の英文を前からグイグイ押して読むことができるようになります。
ぜひマスターしていただいて今後の英文リーディングにお役立てください!
え~関係副詞を使った英文ってそんなに簡単に「前」から読めるの~?
正直言って楽勝です(断言)
関係代名詞の「格」は後ろの文のチェックが必要
関係詞は関係代名詞と関係副詞がありますが、関係代名詞は後ろの文の主語や目的語が変わったものですから、それぞれ主格・目的格と使い分けているのが特徴ですよね。例えば
例①
I know a girl who speaks Chinese.
「私は中国語を話す女の子を知っている」
この文は関係代名詞のwhoを使った文ですが、whoは後ろの文の主語(S)が変化したものです。ですから関係代名詞のwhoは「主格」の関係代名詞と呼ばれるのです。
もし、この英文を返り読みをしないで、前から読み進める場合は
I know a girl / who speaks Chinese.
「私はある女の子を知っている。その子【は】中国語を話す」
とwhoが主格であることを意識して読んでいくことになりますね。ではこれは?
例②
I know a girl whom everyone loves.
「私はみんなが好きな女の子を知っているよ」
今度は関係代名詞のwhomが使われています。whomは「目的格」の関係代名詞ですから、後ろの文の目的語が変化したものだと分かりますよね。これを返り読みしないで前から押して読むと、
I know a girl / whom everyone loves.
「私はある女の子を知っている。その子【を】みんな好きだ」
とwhomは「目的格」なので「~を・に・と」と解釈して読むことになるわけです。
関係代名詞のwho / whomは「主格・目的格」で使い分けるのが基本ですから、ある意味単語を見ただけで「~は」と訳すのか「~を・~に・~と」と読むのかが分かるので楽ですよね。
ところが主格・目的格が同じ形をしているwhichはどうですか?例えば次の2つの文の違いが分かるでしょうか。
例③
This is the house which surprised me.
「こちらは私を驚かせた家だ」
例④
This is the house which I visited yesterday.
「こちらは昨日訪れた家だ」
この2つの文は関係代名詞whichが使われていますが、この2つの文のwhichがそれぞれ「主格」を表しているのかそれとも「目的格」を表しているのかは、後ろの文のどこが変化してwhichになったのかを確認しないと把握することができません。その証拠に
This is the house which…
たったこれだけの文ではこのwhichの「格」はどう頑張っても分からないですよね。このwhichが「家【は】」と読んでいくのか、それとも「家【を・に・と】」と訳していくのかはこの時点では分かりません。
そうここから言えることは、関係代名詞を使った英文を前から訳そうとすると、どうしてもその関係代名詞が「主格」なのか「目的格」なのかを後ろ文の形をみて判断しなければならないということです。
なんだよ…関係代名詞の文を前から読むときは意外と手間がかかるんだな…
ところがこれが関係副詞になると話が変わってくるんです。
関係副詞の英文は後ろの文を確認する必要なし!
関係詞の種類には、関係代名詞のほかに関係副詞というものがあります。具体的にいうとwhen、where、why、howが関係副詞と呼ばれるものですが、なんと関係副詞は後ろの文を確認する必要が全くないんです。
なぜ関係副詞の場合は後ろの文を見る必要がないのかというと、関係副詞は後ろの文の「副詞部分」が変わったものですから、後ろの文のSVOCの箇所には全く関係ない部分です。
つまり関係副詞には「主格」とか「目的格」といった「格」がないんですね。「~は」とか「~を」とか訳を考える必要が全くないというわけです。
例⑤
Tokyo is the city where I was born.
「東京は私が生まれた町だ」
この文は関係副詞のwhereが使われていますよね。関係副詞の文は後ろの文をチェックして「格」を判断する必要が全くありません。したがって前から訳すのも非常に簡単!
Tokyo is the city / where I was born.
「東京は町だ。そこで私は生まれた」
例⑥
Don’t forget the time when we first met.
「私達が初めて会った時を忘れないでください」
whenも関係副詞。ということは後ろの文をみて「格」を決める必要は全くありません。前からグイグイ押して読み切りましょう。
Don’t forget the time / when we first met.
「その時を忘れないで。(その時)私たちは初めて会ったのだ」
まとめると
後ろの文を見る必要がないっていいよね!関係代名詞より全然楽だわ…
ニヤリ
関係副詞と判断する方法
たとえば関係副詞のwhenですが、英文中に登場するすべてのwhenが関係副詞とは限りませんよね?名詞節のwhenだって副詞節のwhenだってあるわけです。
例⑦
I don’t know when it will rain.
「いつ雨が降るのか分からない」
⇒ when節は「名詞節」knowの目的語。
例⑧
The bird will fly to the south when winter comes.
「冬が来ると、その鳥は南に飛んでいくだろう」
⇒ when節は「副詞節」
では英文中のwhenやwhereはどうやって「関係副詞」と判断していくのかというと実は簡単です。
以下の公式を覚えておいてください。関係副詞のwhenやwhereの前には以下のような名詞が必ずあります。この形になったら「関係副詞のwhen / where」と決め打ちして構いません。
【関係副詞のwhere / whenの形】
- ①「場所」を表す名詞+where
- ②「時」を表す名詞+when
ちょっと練習してみましょう。
練習①
Please tell me the time when the next train will arrive.
whenの前には「時を表す名詞 the time」がありますよね。こんな時はwhenを「関係副詞」と決め打ちして構わないんですよ。
したがって後ろの文の形なんか【まったく気にしないで】前からガンガン読んでいけます。
Please tell me the time / when the next train will arrive.
「その時を私に教えてください。(その時に)次の電車が来るんです」
↓
「次の電車が来る時間を教えてください」
練習②
The room where Ken practiced the piano is near here.
whereの前に「場所を表す名詞 the room」が。したがってwhereを関係副詞ととらえていきましょう。
The room / where Ken practiced the piano is near here.
「その部屋でケンはピアノの練習をした。(その部屋)はこのあたりにある」
↓
「ケンがピアノを練習した部屋がこのあたりにある」
※ここで注意点を。今回ご紹介している関係副詞の文を前から読む方法は、あくまでも「読む」ときです。「訳す」ときはしっかりと先行詞にかけて訳すのが基本になりますので注意が必要ですよ。
以上のことを踏まえた上で今回の課題英文にチャレンジしてみましょう。笑ってしまうくらい関係副詞の処理が楽だということに気づくはずです。
関係副詞に関する英文演習
It has been said that Soseki was anti-Western, but I think it is truer to say that he was pro-Japanese in an age when it was fashionable to revere everything foreign.
【単語・表現】
- pro-Japanese「親日の」
- revere「崇拝する」
- fashionable「粋な」
- everything foreign「海外のあらゆるもの」
解説
「夏目漱石は反ヨーロッパ派だと言われてきた」
文頭のItで始まるこの部分。もちろんこのItが代名詞のitではないのは、前に英文がないことから明らかです。このItは「仮主語」のIt。もちろん新主語はthat以下になります。
正直、文頭のItの攻防は「熱い」ので以下の記事を確認してみてください。Itはいろいろな可能性を考えなくてはならない代表みたいな単語です。
このbutは「等位接続詞」。もちろん何かと何かをつないでいるのですが、I thinkがS+Vだからといって前の文のSoseki wasとつながっていると考えては困ります。
I thinkは「現在形」ですので、ここは同じ【現在】完了形であるIt has beenとつながっているんですね。「時制」までしっかりと合わせるので等位接続詞の攻略は非常に重要なわけです。ここは
It has been said that Soseki was anti-Western,
but
I think it is truer to say that …
「…ということがより正しいと思う」
と読めることが実力ですね。it is truerのitも「仮主語」のit。to say以下が真主語です。
等位接続詞を【完全】に仕上げるのは英文解釈上必須条件。ぜひ以下のカテゴリで等位接続詞を極めてみてください。
an age when…と「時の名詞+when」の形は関係副詞のwhenのシグナル。もちろん前から読んでいくことができます。ここでは
「彼はある時代の中では親日派だった、その時代では海外のあらゆるものを崇拝することが粋だったのだ」
↓
「海外のあらゆるものを崇拝することが粋だった時代のなかでは彼は親日派だった(ということ)」
と読んでいければ返り読みをする必要がないのでスムーズに前から読んでいくことができるわけです。
全訳「夏目漱石は反ヨーロッパ派だと言われてきたが、海外のあらゆるものを崇拝することが粋だった時代のなかでは、彼は親日派だったというほうが正しいと思われる」
関係副詞の読み方:あとがき
今回は関係副詞は前から訳し下すことが簡単だ!というテーマで記事をご紹介しましたがいかがでしたでしょうか。
関係副詞の読み方についてまとめると
- 関係代名詞と違って後ろの文のチェックがいらない
- 特定の先行詞+when / whereは「関係副詞」と決めつけて構わない
の2点がポイントになります。なれると面白いぐらい前から読めるようになりますので、ぜひマスターしてみてくださいね!
俺は楽するのは大好きだぜ…!
また会いましょう。
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