この記事は
「英文を読んでいると、まれにS is of ~という表現をみることがあります。なぜこのような表現になっているのでしょうか?またどうやって訳せばよいですか?」
と疑問に思っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●こんにちは、まこちょです。
英文を読んでいると、ごくまれに「この英文の文型は一体何だろう?」と首をかしげてしまう形に遭遇することがあります。
今回ご紹介するS is of~もそうで、一見すると通常の文型とは離れた格好をしていますが、実は英文中でよく見る用法なんですよね。
しかもこのS is of~の用法、どうやら訳し方が一種類だけではないようです。用法が多くて意味も多彩、したがって訳出には非常に苦労するかもしれません。
そこで今回はS is of~の用法と訳しかたについて完全網羅!ぜひ以下の記事を最後までお読みいただくと次の点であなたの英文解釈能力は著しく向上します。
S is of~の用法は多種多様!
まずは、英文によく登場するS is of~の形からご紹介します。
① of +抽象名詞=形容詞の用法
英語にはSVCの第2文型がありますが、Cの位置に名詞が来る場合は注意が必要です。例えば「この本は大切だ」という表現を英文にしてみましょう。
SVCはS=Cの関係になるのが特徴ですが、だからと言って「この本=大切」と考えて、
× This book is importance.
と表現してはいけません。
第2文型SVCでCに名詞を置く場合、その名詞は主語(S)と厳密に「=」でなければなりません。主語が「人」の場合はCも同じ「人」属性にしなければならないのです。
もし、どうしても主語(S)とCの名詞が同じ属性にならない場合はCを名詞ではなく「形容詞」で表現することになります。上記の英文なら
〇 This book is important.
とするとバッチリですね。このようにCを形容詞にすることによって主語(S)との「=」性を若干弱めることができるんです。
ところがですね、この形容詞を「of +名詞」の形で表現することもできるんです。したがって上記の例文は
This book is of importance.
と表現することも可能なのです。of +抽象名詞=形容詞の用法は大学入試やTOEICなどの資格試験でもよく問われる、極めて頻出度合いの高い用法です。
S is of +抽象名詞 ⇒ S is 形容詞
この用法は名詞が「抽象名詞」であることがポイント。たくさんありますが、とりあえずは以下のパターンを押さえておけば十分です。
of help(use) = helpful (useful) 「役に立つ」
of sense = sensible 「分別のある」
of value = valuable「価値のある」
of worth = worthy 「価値ある」
例
Your idea is of value.
= Your idea is valuable.
「君のアイデアは価値がある(状態だ)」
なお、この前置詞+抽象名詞の用法は何もof +名詞だけではありません。他の前置詞を使った用法もありますので、ぜひ以下の記事で集中学習をしてみてください。
② ofの前に主語と同じ名詞が省略されたパターン
S is of~のもう一つの用法は、ofの前に主語(S)と同じ名詞が省略されていると考えるパターンです。of以下が前の名詞を修飾しているんですね。
S is of ~ ⇒ S is (Sと同じ名詞 )←[of ~]
例
Ken and Junko are of the same age.
↓
Ken and Junko are (people) ⇐ of the same age.
「ケンと順子は同い年の人々だ → ケンと順子は同い年だ」
例
The picture was of an apple orchard with a small girl at the front.
↓
例
The picture was (the picture) ⇐ [of an apple orchard with a small girl at the front].
「その写真は、小さな女の子が手前に写ったリンゴ園のもの(写真)だった」
③ S is of~ ⇒ S have(has)~
S is of~の用法には、be動詞とofの部分がまるでhaveがあるかのように訳すとうまくいく場合があります。つまり「Sが持っている」と訳せるわけですね。
S is of ~ ⇒ S have(has)~「Sが持っている」
(1) 名詞が「種類」
(2) 名詞が主語の「性質・特徴」
(3)名詞が「起源」
例
He is of unknown origin.
↓
He has unknown origin.
「彼は素性が不明だ」
I am of the opinion that he will recover.
↓
I have the opinion that he will recover.
「私の見込では治ります」
以上を踏まえた上で、今回の課題英文に挑戦してみましょう。S is of~にはさまざま種類の訳し方があると分かると、思った以上に楽に英文解釈できるはずです。
S is of ~の課題英文
He was of neat appearance, of middle height, with a patient abstracted air, as if he too would rather be elsewhere. (京都大)
- neat「こぎれいな」
- appearance「見かけ」
- middleheight「中背」
- patient「じれったい」
- abstracted「上の空の」
- would rather「むしろ~したい」
S is of ~の解説
「むしろ他の場所にいたいといった感じで」
as ifの節はifの後ろがさまざまな形を取りますので、しっかり学習しておくと良いでしょう!
S is of~の用法のまとめ
- ① of +抽象名詞=形容詞の用法
- ② ofの前に主語と同じ名詞が省略
- ③ S have(has)~
ぜひ会得していただいて、今後の英文リーディング学習にお役立てください。
また、会いましょう。
なお前置詞ofが「文頭」に来た形も解釈に悩むところです。以下の記事に完全にまとめてありますので、ぜひ立ち寄ってみてください。
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