この記事は
「接続詞の後ろのS+V(文)は「省略」できるとのことですが、実際の英文にはどのように出るのでしょうか?ぜひ生の英文で、S+Vの文が省略された接続詞の用法を学習したいのですが」
と考えている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● こんにちは、まこちょです。いつもブログを読んでいただきありがとうございます。
当ブログでは「接続詞」についてあらゆる角度で記事攻略をしていますが、その中に「接続詞の後ろのS+Vが省略できる」というポイントをテーマにした記事があるんです。
ところがこのテーマですが、接続詞の後ろには文が来ると学習している英語リーディング者にとっては、結構ショッキングな話題だったらしくて、結構な頻度で質問が来ます。
「マジですか先生!接続詞の後ろのS+Vが消えるってんなばかな!?」
という反応がもっぱらなのですが、事実です。
そこで今回は実際に後ろの主語(S)と動詞(V)が省略されている「生」の英文をピックアップしてみました。やはり実際の英文でこの特殊な接続詞の用法がどのように使われているのか分からないと今一つリアリティが湧かないですからね。
以下の記事を学習していただければ、次の点であなたのあなたの英文リーディング能力は著しく向上します。
ぜひ生の英文にどっぷり使って、接続詞の用法について慣れてみてください。
後ろの主語(S)と動詞(V)が省略されている接続詞
【問】
① To think of the future in relation to the present is essential to civilization. ② The commonest workman in a civilized country does this. ③ Instead of spending all the money he earns as fast as he earns it, he will, if an intelligent man, save a large part of it as a provision against future want.
【単語・表現】
- in relation to~「~に関して」
- essential 形「欠くことのできない(絶対必要な)」
- civilization 名「文明」
- instead of「~の代わりに、~しないで」
【解説】
[①の文]
To think of the future in relation to the present is essential to civilization.
● To think of…
To Vからスタート。この文頭のTo Vを「主語だ!」と決めつけるのは早計です。文頭のTo Vは2種類の解釈の可能性があることを理解している人はナイスな姿勢です。
To think of the future in relation to the present is essential…
今回はTo V~がisの主語(S)になっています。
[To think of the future in relation to the present] is essential to civilization.
訳「現在に関連して将来を考えることは文明にとって欠くことのできないことである」
[②の文]
The commonest workman in a civilized country does this.
例
The best brewer sometimes makes bad beer.
この文ですが、これをまともに訳すと
訳「最良のビール貯蔵家は時にはまずいビールを造る」
となるが、よくよく考えたらこの訳は意味不明ですよね。
実は最上級表現には「譲歩」表現のニュアンスで訳すことができるのだ。まるで最上級のtheの前にevenがくっついている感覚です。
Even the best brewer sometimes makes bad beer.
訳「最良のビール貯蔵家でも時にはまずいビールを造る」
したがってここの訳も
訳「文明国ではいかに平凡な労働者であっても将来のことを考える」
と解釈すると完璧ですね。
[③の文]
Instead of spending all the money he earns as fast as he earns it, he will,if an intelligent man, save a large part of it as a provision against future want.
● Instead of spending all the money he earns as fast as he earns it…
Instead ofは「前置詞」扱い。後ろの動名詞句とセットになっています。< >に入れるイメージで、
<Instead of spending all the money>…
訳「お金を全部使わないで」
earnは他動詞。ですが後ろに名詞がありません。そう、he earns…の箇所がall the moneyにかかっています。
Instead of spending all the money ⇐[he earns as fast as he earns it]…
訳「金を儲けるか早いか、これを使ってしまうようなことをしないで」
he will,if an intelligent man, save…
he willが主節の文。willの後ろにある動詞を探す前に「,~,(挿入)」が。これまでの学習から挿入はいったん外して考えるのでしたね。
he will,~,save a large part of it
動詞が見つかってほっとしますよね。itは「(もうけた)お金」を指す。
訳「金を儲けるか早いか、これを使ってしまうようなことをしないで(彼は)もうけたお金の大部分を蓄えるものである」
前置詞asの「=」性をうまく利用する
… save a large part of it as a provision against future want.
このasは後ろの形から「一見」接続詞のasに見えますよね。
… as a provision against future want.
ところがよく見るとこのwantは(V)ではないことが分かります。もしwantが(V)なら、主語(S)はa provisionということになりますが、a provisionは「3人称単数形」。
したがってwantはwantsでなければなりませんよね。
したがってここは、
…as a provision against future want
この赤い部分が「名詞」になります。
訳「将来の用にあてる準備金として」
訳「金を儲けるか早いか、これを使ってしまうようなことをしないで、将来の用にあてる準備金として(彼は)もうけたお金の大部分を蓄えるものである」
最後に挿入の部分をかたずけましょう。
if an intelligent man
ifは接続詞。後ろにはS+Vが続くはずですがこの文にはありません。
そう、もちろん「省略」されていますが、英語の場合、「省略」にもルールがあるので、勝手に「気分で」省くわけにはいかないんです。
● 接続詞 + S+V ⇒ S+Vが主節のSとbe動詞だった場合、省略可能
例
When he was young, he played tennis.
= When young, he played tennis.
したがってここは、
he will, if an intelligent man, save a large part of it as a provision against future want.
ここの主節はhe will save。したがってhe isが省略されていることになりますね。
… ,if he is an intelligent,…
訳「彼がりこうな男なら」
訳「りこうな男なら金を儲けるか早いか、これを使ってしまうようなことをしないで、将来の用にあてる準備金としてもうけたお金の大部分を蓄えるものである」
全体訳「現在に関連して将来を考えることは文明にとって欠くことのできないことである。文明国ではいかに平凡な労働者であっても将来のことを考える。りこうな男なら金を儲けるか早いか、これを使ってしまうようなことをしないで、将来の用にあてる準備金としてもうけたお金の大部分を蓄えるものである」
日本も今後どうなるかわからないし、貯蓄したほうがいいのかなぁ、なんてこの文を見て思ってしまいました(笑)
接続詞の後ろの文の「省略」パターンのまとめ
さて、今回はいかがだったでしょうか。今回のさまざまな知識を総動員して文章を丁寧に読んで見ました。
ぜひ何回も読んで血肉にしていただければと思います。
ではまた!
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