この記事は
「何か、どう見ても名詞に見えるのに実は接続詞、という英文に戸惑ってしまいます。いや、接続詞と言われたら納得できるのですが、言われないと接続詞と分かりません。何か見分けるコツみたいなものはあるのでしょうか?」
と悩んでいる英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
●みなさんこんにちは、まこちょです。
英語には不思議なもので、どこをどう見ても「お前、名詞だろ!?」としか思えないような接続詞があったりします。
このように非常に紛らわしい、名詞っぽい接続詞を見分けるにはどうすればよいのでしょうか?実はあるんです、見分け方。
そこで今回は、どう見ても名詞にしか見えないものを「あ!これは接続詞だ」と誰でも見切ってしまう術についてみなさんに教えます。
以下の記事を読了すると、次の点であなたの英文リーディングの能力はパワーアップするでしょう。
ぜひコツを会得して今後の英語学習にお役立てください!
「名詞」もしくは「副詞」にしか見えない接続詞
英文の接続詞には、「え?これって接続詞ですか?」と思わず二度聞きしてしまうような接続詞があるんです。
まったくもって英語リーディング学習者にとっては迷惑極まりないこの「名詞(副詞)もどき接続詞」(?)、いったいどのようなものがあるのでしょうか。
例えば以下のような例文なんかどうでしょう。
例
The moment he got home, he heard a sound a gunshot.
「彼は家に着くやいなや、銃声のような音を聞いた」
ええと…この赤い部分を見てほしいのですが、このThe momentが「接続詞」なんです。信じられますか?
The momentなんて、どう見ても名詞momentに冠詞theがついてるようにしか見えませんものね。いや、これ名詞だよ。
これなんですが、もし英文を読み始めてこのような状態になったらみなさんはどう解釈しますか?
The moment he got home…
私はこのブログの運営管理人として言いますが、英文を読み始めてこの時点でThe momentを「あ~The momentは接続詞ですね~(キリ)」とか言ってしまう人は絶対に信用しません。
なぜなら、この時点では「The momentは接続詞だ」なんて特定できるわけがないからです。むしろこの時点では、The momentは「副詞的目的格」で「その瞬間」と訳してしまうのはむしろ普通のことです。
では、なぜThe momentを「副詞」ないし「名詞」と解釈しないで「接続詞」と分かるのでしょうか。
それはもちろん英文で(従位)接続詞を使うときに必ず起こる【ある現象】が分かっているからです。
従位接続詞が英文で使われるときに必ず起こる現象、このルールが分かっていればThe momentだろうがimmediatelyだろうが「接続詞しかありえない」という考えになります。以下ではそのルールについてお話します。
接続詞と動詞の奇妙な関係
さきほど
The moment he got home…
これだけではこのThe momentを「接続詞」とは特定することはできないと言いました。それはなぜでしょうか。
実は(従位)接続詞を文中で使うときにはあるルールにしたがって使われています。
英文中で接続詞を使う目的というのは、英文中の「文」の「文」をつなげる時に使います。例えば以下のような英文は通常ライティングでは認められません。
× I like you, you like me, too.
それは文(S+V)と文(S+V)をつなげる時には必ず「接続詞」を使わなければならないからで、以下のように英文を表現しなければなりません。
◎ I like you and you like me, too.
このときこの英文にはある法則が効いているのですが、それは、
この接続詞と動詞の数の関係については以下の記事にも非常に詳しく言及しています。かなり英文解釈では大事ですので、ぜひ暇な時にでも寄ってみてください。
ですから先ほどの英文を見てみてもらいたいのですが
The moment he(S) got(V) home…
この時点では動詞はgotしか出ていません。したがって先ほどの公式に当てはめると
動詞の数(1)ー1=接続詞・関係詞の数(0)
となってしまいこの時点では接続詞は使われていない、つまりThe momentは「接続詞」と感じられないのが普通というわけです。ところがこの文が
The moment he got(V) home, he heard(V) ….
となるとどうです?2つの英文、つまり2つの動詞をつなげるのには「接続詞・関係詞」が1つ必要なはずですから、俄然The momentが「あれ?これもしかして接続詞?」と見えてくるから不思議ですね。
この点をしっかり理解すると、以下の「こりゃどう見ても接続詞には…」な語句も「100%接続詞ですね!」になりますのでぜひ身につけていただけると幸いです。
これが接続詞に見えない接続詞の種類だ
一見接続詞に見えない接続詞は以下にご紹介しますが、結構あります。
as soon as「~するとすぐに」と同じ意味で使うもの
- the minute SV
- the moment SV
- the instant SV
- immediately SV
- instantly SV
- directly SV
(引用:TOEIComより)
例
Directly I arrive, I will get in touch with you.
「到着したらすぐに連絡します」
if「もし~ならば」と同じ意味で使うもの
- suppose (that) SV
- supposing(that) SV
- providing (that) SV
- provided (that) SV
例
I will go provided (that) the weather is clear.
「天気さえよければ行きます」
これも知らなかったら、とてもじゃないですがprovidedを「接続詞」とは読めないのではないでしょうか?冷静に2つの文をつないでいるという点から見極めてくださいね。
whenever「~するたびごとに」と同じ意味で使うもの
- every time SV
- any time SV
- each time SV
例
She says something every time I turn around.
「私が顔を出すと彼女はいつも何かを言う(文句を言う)」
う~ん…何度でも言いますが、やっぱり接続詞に見えませんね(笑)
以上のことを踏まえて、次の英文をリーディングしてみましょう。驚くほど「接続詞」が見えます。
接続詞に見えない接続詞の練習問題
Immediately I clicked on the link, the box to type in my password popped up.
【意味】
pop up 「ぱっと出る」
解説
この英文はImmediatelyから始まっているわけですが、何度も言いますがこの単語を、この時点で「接続詞」と断言してしまうあなたの英文解釈に危険なにおいを感じます。
どうやってもこの時点ではこのImmediatelyを「接続詞」とは確定できません。むしろ「副詞」のimmediately「すぐに」と解釈してしまうのが普通だと。
ですが、この後に続く英文の形を見てImmediatelyは「副詞」ではなくて「接続詞」なのでは…?と考えが変わってきます。
そう、もう1つ主語(S)と動詞(V)が出てくるのです。つまり
Immediately S+V, S+V
となっておりますので、2つの文をつなぐこのImmediatelyは「接続詞」と考えざるを得ません。ここまで読んできて初めてImmediatelyは接続詞と言えるということをしっかり理解していただけたらと思います。
全訳「そのリンクをクリックした瞬間に、パスワードを入力するボックスが出てきた」
あとがき
今回は一見接続詞に見えない接続詞の見分け方についてレクチャーしました。
ポイントは接続詞と動詞の数の関係をしっかりと見極め、「副詞」として使われているのか、それとも「接続詞」として使われているのかを見切ることです。慣れてくるとすぐに分かりますので、今後は何となくではなく「確信」を持って、接続詞を見極めてください。
なお接続詞と接続副詞の違いにつきましては、以下の記事で具体的に学習できますよ~
ぜひマスターしていただいて、今後の英文解釈にお役立てください。
また会いましょう。
コメント