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接続詞+分詞構文の使い方とは?通常の分詞構文とはいったい何が違うのか?

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分詞

この記事は

「分詞構文って接続詞をなくす用法だと思っていたんですが、この前、~ingの前に接続詞がついている形を見ました。あれはいったい何でしょうか?なぜ接続詞+分詞構文の形があるのか教えてください!」

と疑問に思っている英文解釈リーディング読者に向けて記事を書いています。

 

●こんにちは、まこちょです。

 

英文の単元のなかに「分詞」がありますが、その中でも分詞構文はなかなか苦手な人が多い箇所です。

 

分詞構文というのを簡単に説明すると

 

  • 接続詞を消す
  • 動詞を~ingに変える

 

といった用法でそれほど難しいことはないのですが、そもそもなぜわざわざ接続詞 S+Vの文を、接続詞を消して表現する用法があるのかと、「?」がついてしまう英語学習者が多いんですよね。

 

例①

When I lived in London, I came to know her.
「ロンドンに住んでいた時、彼女と知り合った」

Living in London, I came to know her.

 

この例文を見ていただくと分かるのですが、明らかに接続詞がついている、分詞構文にする前の英文のほうが読みやすいのは明らかです。

 

そりゃ文と文をつなぐ接続詞をしっかり残しておいたほうが訳しやすいでしょうし、なんとなく「安心感」がありますからね。

 

分詞構文にするということは、基本的に接続詞を消してしまう用法ですから、英文解釈するときにその接続詞の部分の意味を、読者が各自補って読まなくてはなりません。

 

逆に言えばその「曖昧さ」を英文に込めるという意味でこの分詞構文は使うわけです。

 

まこちょ
まこちょ

分詞構文の基本的な用法を完全にマスターしたい場合は以下の記事を読んでみてください。分詞構文の基本的な使い方と、様々な用法が分かります。

 

分詞構文の用法と訳し方を徹底攻略!これが英文解釈に必要な分詞構文のすべてだ!

 

 

ところがこの分詞構文に面白い形があるんです。それは、明らかに分詞構文の形をしているのですが、その前に「接続詞」がついているパターンです。

 

 

例②

While reading, I fell asleep.

「読書しているうちに寝入ってしまった」

 

 

なんか非常に中途半端な形で、思わず「どっちだよ!」と文句の1つも出そうな形ですが、実は英文解釈上、避けて通れないくらいよく見る形です。なぜこのような形が生まれたのでしょうか。

 

 

そりゃ、接続詞をつけたほうが「曖昧さ」がなくなるからじゃないの?

 

と考える読者もいるかもしれませんが、どうやら事はそんなに簡単ではないようなのです。

 

そこで今回は接続詞がついている分詞構文について徹底解説します。意外に深い「接続詞+分詞構文」の用法をマスターして、英文リーディングを円滑に行えるようにしましょう。

 

 

以下の記事を読むと次の点であなたの英文解釈能力はめちゃくちゃパワーアップします。

 

▶接続詞+分詞構文の形に慣れることができる
▶接続詞+分詞構文と通常の分詞構文の違いが分かる

 

ぜひマスターして今後の英文リーディングにお役立てください。

 

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分詞構文は文脈があいまいになりがち

分詞構文は接続詞を使わないため、意味を文脈にのみ頼って解釈しなければならない用法です。

 

したがって、場合によっては分詞の箇所があいまいな意味になりがちです。

 

もちろん分詞構文を使って表現した作者だって、読者に適当にリーディングされたくないわけですよね。

 

そこで意味が不明確になりすぎる場合は、分詞の前にwhen, while, though, onceなどの接続詞をつけて文意を明確にすることがあるんです。

 

ちょっと例文を見てみましょう。

 

 

例③

Though I live next door, I seldom see Susan.

「隣に住んでいるのに、めったにスーザンに会わない」

 

 

この文を分詞構文にしてみると以下のようになります。

 

 

Living next door, I seldom see Susan.

 

 

そうするとこの英文は接続詞のthoughが消えることになるのですが、出来上がった英文を見てみると、この英文を「隣に住んでいる【とき】なのか、それとも【だけれども】」と訳すのか、当然ながら判断が難しくなるじゃないですか。

 

 

そこでそういった曖昧さを避けるためにいったん取ってしまった接続詞をもう一度つけ直します。

 

 

Though living next door, I seldom see Susan.

 

 

そうすると、この分詞構文は「~する時」でも「~するので」でもなく「~だけれども」と逆接で訳すということが分かるというわけです。

 

つまりこの「接続詞+分詞構文」は一見変な形に見えますが、使いこなすとノーマル(?)の分詞構文よりも意味の判断に悩まないという点で読者フレンドリーと言うことはできます。

 

例④

After studying, she gave him a ring.

「勉強をした後に、彼女は彼に電話した」

 

例⑤

While staying in China, he had various experiences.

「中学に滞在、彼は様々な経験をした」

 

と実は読者に優しいこの接続詞+分詞構文ですが、ここである疑問が沸き上がってきました。以下はかなりマニアックな話ですので、興味のない方は読み飛ばしてしまっても構いません。

 

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「~ing…」と「when+~ing…」は本当に同じ【意味】なのか?

文と文のつなぎ目(接続詞)の解釈が曖昧にならないように、分詞構文の前に接続詞を残しているわけですが、例えば明らかに文脈から「~する時」と解釈できるときでも、接続詞のwhenがついているときがあります。

 

例えば次の2つの文は本当に同じなのでしょうか。

 

例⑥

When he saw me, Tom waved his hand.

Seeing me, Tom waved his hand.

「私を見ると、トムは手を振った」

 

例⑥は接続詞whenのついた文を分詞構文したもので、極めてノーマルな分詞構文ですが、この文を以下のように変えると、接続詞のwhenを残す場合が圧倒的に多いのです。

 

例⑦

When seeing me, Tom always waves his hands.

「私を見ると、トムはいつも手を振る」

 

 

この2つの例文は主節のwaveの時制が違うだけなのですが、実はこの2つの分詞構文の用法は若干異なっています。もちろんその違いによって接続詞をつけたりつけなかったりするのですがいったいこの違いとは…?

 

分詞構文のもともとの意味は主節と従属節の「同時性」

分詞構文は様々な意味がありますが、その意味にはある共通性があるんです。それは「同時性」

 

 

つまり従属接続詞と主節の間に「同時性」、意味的には「~しながら」「~して」という意味があるときに分詞構文化されるのです。

 

 

まこちょ
まこちょ

ちなみに従属節って何?とか思ってしまった人は以下の記事をさりげなく復習しておこう!

 

従属接続詞と等位接続詞の違いと基本的な使い方とは?主節の英文をあぶりだせ!

 

 

When he saw me, Tom waved his hand.

 

 

この文は赤い箇所と青い箇所がほぼ「同時に発生している」、つまり「瞬間」に焦点を当てている場合に接続詞のwhenが省略されて分詞構文にすることが可能なのです。

 

 

ところが例⑦は「瞬間」を表しているのではありません。どちらかというと「習慣」「反復的」な一般論を表してるんです。

 

分詞構文は「同時性(瞬間)」の関係を持つ2つの文にはめっぽう強い用法ですが、日常に起こる「習慣的」なものや「反復的」なものにはめっぽう弱い用法なんです。

 

 

例⑦

When seeing me, Tom always waves his hands.

「私を見ると、トムは手を振る」

 

 

この文は今この瞬間起こっている「同時性」を表す内容ではなく、日常的に習慣化されている内容を表しているにすぎません。

 

 

したがってこの場合は接続詞を消さないであえて残すことが多いんですね。

 

 

この時にはalways「いつも」などの日常的なことを表す副詞が使われていることが多いのもポイントの1つでしょう。

 

 

When choosing a shape, consider any pattern on your fabric and select a shape to blend with the design.

「形状を選ぶ時には(いつでも)、生地の模様をどれでも考え、デザインに調和する形状を選びなさい」

 

⇒形状を選ぶのは「日常的」「習慣的」「反復的」なので、whenをつけている分詞構文になっています。
 

 

When working on a paper-round, donʼt accept invitations into strangerʼs homes or accept lifts

「新聞配達をする時には(いつでも)、見知らぬ人の家への招待に応じたり、乗せてもらってはいけない」

 

⇒ この文は新聞配達という「習慣的」な内容を分詞構文にしているので、接続詞をつけています。

 

Working swiftly, in quite a short time he filled the case.

「彼は素早く働いて、相当短い時間で箱に詰めた」

 

この文は日常的なことではなく今この「瞬間」の同時性を表しています。したがってこれは分詞構文のメインの使い方ですので接続詞をつけない用法になっているんです。

 

接続詞のwhile「~しながら」も分詞構文の前にwhileがついた形がありますが、これも2つの文の「同時性(瞬間)」を表しているのではなく、習慣・反復を表す文なので接続詞をつけているだけなのです。難しいお話でしたね!

 

以上のことを踏まえた上で、今回の英文リーディング課題を読んでみましょう。接続詞+分詞の形でもびっくりしないあなたがいることに気づくはずです。

 

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接続詞+分詞構文の課題英文

【課題】
Some local parents were complaining that teachers correct some wrong spellings, while leaving the majority untouched so as not to upset the child.

 

【単語・表現】

  • some wrong spellings「いくつかのスペルミス」
  • upset「混乱させる」
  • leave A untouched「Aを触れないままでおく」

 

解説

Some local parents(S) were complaining(V) [that teachers correct…]
「地元の親たちの中には、[教師は…は正す]と不満を言っていたものもいた」

 

動詞の後ろのthatを見たらまずは接続詞のthatを疑っていくのがセオリー。thatの後ろがteachers correct…とS+Vが続くのを見てthatが接続詞であることを確信します。

 

S+V+Oの目的語にthat節が来たときの英文解釈の方法はとてつもなく簡単なものだった!

 

while leaving the majority untouched so as not to upset the child.

 

もともとはwhile they(teachers) leave…の形だったのですが、分詞構文化してleavingになっています。そしてその前にwhileがついているのはこの文の内容が「今この瞬間」的なお話ではなく、習慣的・反復的な内容だからです。

 

so as not to Vで目的「~しないように」。不定詞の副詞的用法はバッチリ押さえましょう。

 

副詞用法の不定詞句の見分け方で、英文解釈上絶対に気をつけなければならないこととは?

 

全訳「地元の親たちの中には、教師が子供を混乱させないために大部分は注意しないのに、いくつかのスペルミスは正すと不満を言っていたものもいた」

 

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あとがき

今回は「接続詞+分詞構文」の使い方について解説しました。

 

分詞構文の前に接続詞がついているものは、私たち英文リーディング者にとっては楽に訳せるのですが、実は接続詞の有無にはそれなりに意味があるという点をしっかり押さえておくと英文解釈に役立つかもしれません。

 

「分詞構文」を集中して徹底的に学習したい人は以下の記事をのぞいてみてください。分詞構文のつまづきやすい点と学習手順がはっきり分かります。

分詞構文の学習手順についての記事に戻る

 

また会いましょう。

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