この記事は
「先生、私は見たんです!形容詞が1語でも名詞を【後ろ】から修飾している英文を!ありゃ何ですか??」
といかにもマウントを取りたがっている英語学習者に向けて記事を書いています。
…どうやら気づいてしまったようですね(笑)というのも通常形容詞は修飾語句Mとして働く場合、
【修飾語句の形容詞(M)】
- ① 1語の場合 → 前から名詞を修飾
- ②2語以上の場合 → 後ろから名詞を修飾
というルールがあるんです。
ところが形容詞修飾のMはたった1語でも名詞の後ろから修飾する場合があるんです。いや、決してすっとぼけていたわけではありませんよ!?(笑)
そう、今回のテーマは「やっかいな形容詞」。つまり特殊な形容詞について解説します。今回は練習問題を用意しましたが、この特殊な形容詞について味わうために全問不正解でも構いませんよ(笑)
いったいなぜこのような形容詞があるのでしょう。もちろん例外ではなくしっかりとした理由があるのですが…まぁまずは以下の練習問題をやってみてください。
この記事を最後までお読みいただくと、次の点であなたの英文リーディング力は向上するはずです。
▶形容詞が後ろから修飾する「理由」が分かる
1語にもかかわらず後ろから名詞を修飾する形容詞:練習問題
まずは以下の問題を解いてみてください。どれも入試問題ですが果たして解けるかな?(笑)
【練習問題】次の英文を正しく並べ替えてみてください(文頭も小文字にしてあります)
(1) 「居合わせたすべての人たちがその知らせに驚いた」
(surprised / the news / present / all / the / were / people / at)
(2) 「我々は入手しうる最新の情報を手に入れた」
(got / latest information / the / available / we)
(3) 「寝ている赤ちゃんを起こすな」
(wake up / asleep / do / the baby / not)
解説
さて【練習問題】の解説にいきましょう。先ほども書きましたが、この問題はもしかしたら全問不正解になってしまうかもしれません。
とにかく特殊な形容詞たちです。したがって間違いを恐れずに果敢に攻めてみてくださいね。
(1) 「居合わせたすべての人たちがその知らせに驚いた」
(surprised / the news / present / all / the / were / people / at)
まずいきなり答えからご紹介します。
All the people present were surprised at the news.
おや?と思いませんでしたか?特にpresentの位置が。
presentは形容詞ですが、通常形容詞というのは「1語」で名詞を修飾する場合、名詞の【前】からかかるのが普通です。
ところがです。形容詞の種類によっては、1語のみにもかかわらず、名詞を【後ろ】から修飾するものがあるんです。
(1)のpresentもそのタイプで、「意味」によって名詞へのかかり方が変わるのです。以下をご覧ください。
【present】
- ① 名詞 「贈り物・プレゼント」「現在」
- ② 形容詞 「現在の」→ 前から名詞を修飾
- ③ 形容詞 「出席している」→ 後ろから名詞を修飾
このうち①の名詞として使う場合は置いておいて、問題は②③の形容詞で使う場合のpresentです。
そして、③の「出席している」の意味で使うpresentは、たとえ「1語」でも名詞を後ろから修飾するという点は非常にポイントが高いですね。
これが②の「現在の」という意味で使うpresentは名詞を前から修飾します。
例
I cannot make any comment on the present subject at the present moment.
「現時点では、本件に関してコメントすることが出来ない」
(2) 「我々は入手しうる最新の情報を手に入れた」
(got / latest information / the / available / we)
やはり答えからいきましょう。
We got the latest information available.
これもavailableが形容詞にもかかわらず、たった1語でthe latest informationを修飾しています。いや、こんなの知らなかったらthe 【available】 latest informationとか思わず並べてしまいそうですよね。
形容詞は形容詞でも後ろが-ableで終わる形容詞は、やはり【後ろ】から名詞を修飾します。最後にこのような形容詞をすべてまとめますが、なかなか厄介な形容詞ですね。
(3) 「寝ている赤ちゃんを起こすな」
(wake up / asleep / do / the baby / not)
Don’t wake up the baby asleep.
はぁ・・・もう何か頭が痛いですね(笑)。この並び替え問題ですが、the babyと一塊になっているからまだいいのですが、これがもしtheとbabyがthe / babyのようになっていたら以下のように表現する方もいるかもしれませんよね。
× the asleep baby
ところがです。asleepのようにaから始まる形容詞の中には、名詞を後ろから修飾するものがあるんです。これも事前学習で覚えておかないとまず所見では正答することができないですよね。
と、このように結局蓋を開けてみれば、練習問題はすべて【1語の形容詞のくせに名詞を後ろから修飾する】タイプの問題だったのでした。
では最後にこのような特殊な(?)形容詞はいったいどのような種類があるのかをまとめておきましょう。
後ろから名詞を修飾するタイプの形容詞の種類
- ① 名詞が-thing , -body, -one で終わる不定代名詞を修飾するとき
まず意外にポピュラーなのはこれじゃないでしょうか。例えば中学英語で以下のような英文を学習した方も多いはずです。
例
Something strange happened.
「何か変わったことが起こった」
Something ← strange
例
The reason he married her is that she had something glamorous.
「彼が彼女と結婚した理由は、彼女が何か魅惑的なものを持っていたということです」
something ← glamorous
例
We saw someone strange at the station.
「私は駅で誰か怪しい人を見ました」
someone ← strange
ここまでは形容詞の種類というより、名詞の種類によって形容詞が1語でも後ろから修飾する場合になります。
ところが次の形容詞はどうでしょうか。以下にご紹介する形容詞は【前】からも【後ろ】からも名詞を修飾することができるのですが、なぜなのでしょうか。
- ② -able,-ible で終わる形容詞がall、any、every、最上級の形容詞を伴う名詞と一緒に使った場合
例
We tried all means possible
「我々はあらゆる可能な手段を試みました」
all means ← possible
そういえば【練習問題】の(2)も最上級表現がついた名詞にavailableが後ろから修飾していますよね。
We got the latest information available.
the latest information ← available
ところがですね、この-able,-ibleの形をしている形容詞ですが、実は名詞を前から修飾することだってできるんです。例えば上の例で言ったら
all possible means
the latest available information
とすることも可能であると(;^ω^)
この違いはいったい何なのでしょう?なんとなくの気まぐれ?いやいや、しっかりとした理由があるんです。
形容詞が1語で名詞を後ろから修飾するときは、「一時的な内容」を表すときに限るのです。
例えばthe latest available informationでしたら「【いつでも】手に入れられる最新の情報」を表しますが、これがthe latest information availableとなると「【今一時的に】手に入れられる最新の情報」という風にニュアンスが変わるんですね!
後ろから名詞を修飾する形容詞:まとめ
今回は形容詞を使った、特殊な修飾の形を解説いたしましたがいかがでしたでしょうか。
今回の一語の形容詞が名詞を後ろから修飾するのは、もちろん例外的なものではなくしっかりとした理由がある、その点をもう一度強調しておきたいですね。まとめると
【形容詞が1語でも後ろから名詞を修飾するとき】
- 形容詞の内容が「一時的な意味」の場合
ということになります。ぜひマスターして今後の英文リーディングにお役立てください!
また会いましょう。
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