この記事は
「SVOO文型の見分け方はどうやってやればよいのでしょうか?動詞の後ろに名詞が2つあったらSVOOと判断してよろしいのでしょうか?また、SVOO文型と分かったから何だというのでしょうか?質問が多いですがよろしくお願いします」
とSVOOの第4文型について疑問を持っている英文リーディング学習者に向けて記事を書いています。
● みなさんこんにちは、まこちょです。
英文の文型をしっかりとれるようになるのは、英文解釈をするのに欠かせないものなのですが、なぜここまで5文型を学習しなければならないのか考えたことがあるでしょうか。
例えば私も、このようなブログの運営をしているにも関わらず、英文読みに関しては結構ファンタジスタ派(※)です。
※ファンタジスタ派とは、まこちょが英文リーディング学習者のタイプに応じて名付けている用語で、要するに「英語は読めてナンボ、細かいことは気にしない、意味が取れれば正義」を提唱している英語リーディング学習者の総称。(出典:まこちょ英語学習辞典より)
にもかかわらず第5文型だけは「絶対にマスターすべき」リーディングポイントとして挙げるのは、5文型の知識を使わないと「読みきれない」英文が出てくるからなんです。
例えば次の英文などは、文型を意識しないとどこまでいってもrunは「走る」でしょうね。
例
Trains run on rails.
「列車はレールの上を走る」
runは後ろに名詞を直接つけないで使うとき、つまりSV文型のときは「走る」で問題ないのですが、次のような英文では「走る」ではありません。全く違う意味になるんです。たくさん意味がありますが一部を挙げると
例
They run their business.
「彼らは事業を運営する」
という風に、動詞の後ろの形によって動詞の意味が変わる以上、英語の文型については絶対に無視できないわけです。
今回ご紹介するSVOOの第4文型もそうなのですが、英語は文型をきちんと押さえることができると、その文型を持つ動詞の正確な意味が分かります。
動詞の意味もたった1つの意味しかないならそこまで文型にこだわらなくても、とか思うのですが、残念ながら動詞の意味は1つではなく、その動詞が取る文の形によって意味が決まってくることが多いんですね。
しかも今回ご紹介するSVOOの第4文型は、この形を取るというだけで、他の文型にはない「特典」があったりします。とにかく身につけて損はしない文型と言えるでしょう。
そこで今回はSVOO文型の判別方法とその「特典」について、またSVOO文型を取る例外的な英文を一挙ご紹介!
以下の記事を最後まで読了すると、次の点であなたの英文解釈の能力はグレートアップします。
▶SVOO文型の「特典」が分かる
▶SVOO文型の例外的な動詞が分かる
ぜひマスターしていただいて、今後の英語学習にお役立てください。
SVOO(第4文型)の見分け方
SVOOの恩恵を受けるためには、何はともかくSVOO文型の見分け方をしっかりマスターしなければなりません。
とはいっても後ろに名詞が2つ続いたらそれはSVOO文型だ!と決めつけるのは非常に早計です。例えば動詞の後ろに目的語(O)が2つ続くパターンはSVOO文型の他にSVOCの第5文型があるからですね。
動詞の後ろの2つの名詞に注目する
目的語(O)は名詞がなることができます。そして補語(C)も形容詞のほかに名詞がなることができます。
ということはSVOOとSVOCはそれぞれ
S+V+名詞(A)+名詞(B)
という形からどちらの文型かを判断しなければならないということですよね。その場合は2つの名詞の関係で判断していきます。つまり
● 名詞(A)≠名詞(B)
⇒ SVOO(第4文型)
● 名詞(A) = 名詞(B)
⇒ SVOC(第5文型)
と見分けていくことになります。
例
My father gave me a book on psychology.
↓
me ≠a bookなので
↓
My father(S) gave(V) me(O) a book(O) on psychology.
「父さんは僕に、心理学に関する本をくれた」
例
I found his attitude laziness.
↓
his attitude「彼の態度」=「怠け者」なので
↓
I(S) found(V) her attitude(O) laziness(C).
「私は彼の性格は怠け者だとわかった」
SVOO文型と分かったら得をすること
ところで、SVOOの第4文型と分かると、私たちはいったい何を得することがあるのでしょうか。
それはSVOO文型を取る動詞の意味にあります。第4文型を取る動詞は、基本的に「~を与える・授ける」という意味になるんです。つまりこれは裏を返せば、
意味の分からない動詞でも、その動詞がSVOO文型と分かりさえすれば、少なくともその動詞は「与える」のニュアンスの意味の動詞であると分かるということになります。
例えば次の英文ですが
例
I’ll stand you a dinner.
standの基本的な意味はみなさんもおなじみ「立っている」ですが、ここでは意味がつながりません。ですが、standの後ろに名詞が2つあることに注目してみましょう。
しかもこの2つの名詞はどう見てもyou「あなた」≠a dinner「夕食」なので、この英文はSVOOの第4文型と分かります。
したがってstandは「立っている」ではなく「与える」タイプの動詞の意味であると分かるわけです。便利じゃないですか?
I’ll stand you a dinner.
「私は君に夕食を与えるよ」
↓
「君に夕食をおごるよ」
SVOO文型でも「与える」の意味にならない第4文型
動詞の中にはSVOO文型を取っても「与える」の意味にならないものもあるんです。
以下の動詞は例外的なものですので、ぜひ覚えてしまいましょう。
● envy A+B「AのBをうらやむ」
例
She envied you your success.
「彼女はあなたの成功をうらやんだ」
● deny A+B「AにBを与えることを拒絶する」
例
My father denied me my request.
「母は私の要求を拒否した」
●cost A+B「AにB(お金)がかかる・AにB(犠牲)を強いる」
●take A+B「AにB(時間・労力)がかかる」
例
This hat cost me $10.
「この帽子は 10 ドルした」
例
Lack of courage cost them their freedom
「彼らは勇気がなかったばかりに自由を失った」
例
It took me 15 minutes to go there.
「そこに行くのに15分かかった」
● save A+B「AのBを省いてやる」
例
That will save me 3000 yen.
「それで 3 千円助かる[浮く]」
以上のことを踏まえた上で、今回の課題英文にチャレンジしてみましょう。面白いくらい文型が分かるとサクサク読めるようになるのを実感できるかと思います。
SVOO文型の英文演習
Likewise, children who see that their parents react with disgust to a particular kind of food can save themselves the trouble of tasting something horrible.
【単語・表現】
- likewise「同様に」
- with disgust「うんざりして」
- particular「特定の」
解説
「同様に、…な子供たち【は】」
Likewiseは「同様に」という副詞ですので文型(S/V/O/C)に入りません。ですがchildrenは文中に初めて出てきた前置詞のついていない名詞ですので、これが英文の(S)になるということになります。
英文の主語(S)と動詞(V)の見つけ方については以下の記事が超詳しいよ!
当然childrenの動詞(V)を見つけていくことになりますが、その前に関係代名詞のwhoが。もしこの箇所、whoがなければ
children(S) see(V) …
と考えていって問題なかったのですが、whoがあるために上記の読み方は封じられました。なぜなら主節の主語(S)と動詞(V)は、S+Vの前に「接続詞・関係詞」がないことが条件だからです。
関係代名詞節内を見てみるとsee that S+Vの形ですね。seeは通常ですと「見る・会う」ですが、後ろにthat節を取ると「分かる」とも訳せます。
with disgustは「うんざりして」to a particular kind od food「ある種の特定の食べ物に対して」
ここまでの訳は「両親がある種の特定の食べ物に対して嫌悪感を持って反応するのを目撃した【子供たちは】」
読み進めると、can saveと動詞(V)が出てきました。なぜこの箇所がwho節のなかに含まれないのかというと、節内の動詞は、接続詞でむすばれていない限り1つの節に動詞は1つなのが基本だからです。
つまりここまでで
children(S) ⇐[who ~ ] can save(V)…
と捉えていればしっかり読めているということになります。
saveの後ろにはthemselvesとthe troubleと2つ名詞が並んでいます。そう、saveはSVOOの第4文型を取れるんですね。
saveは通常「~を救う、~を蓄える」という意味ですが、SVABの第4文型で「A(人・会社など)のB(労力、時間、金などを)省く」という意味になります。したがってここは
「…の子供たちは手間を省くことができる」
と解釈していければよいでしょう。
「何か不快なものを味わう(という)手間」
of ~ingの形は特徴がありますが 名詞+of ~ingでofは「同格」表現になります。したがってofを「~という」と訳出するとok。
全訳「同様に、両親がある種の食べものに対して嫌悪感を持って反応するのを目撃した子供たちは、何か不快なものを味わう手間を省くことができるだろう」
あとがき
今回の課題英文の全体像は以下のようになります。
(Likewise),
「同様に」
children(S)
「子供たちは」
(who see [that their parents react with disgust to a particular kind of food])
「両親がある種の食べものに対して嫌悪感を持って反応するのを目撃した」
can save(V) themselves(O) the trouble(O) (of tasting something horrible).
「何か不快なものを味わう手間を省くことができるだろう」
SVOOの文型は型が分かると訳出が自動的に決まりますので、モノにすると英文解釈にメチャクチャ役に立ちます。ぜひマスターして今後の英文リーディングに役立ててくださいね!
また会いましょう。
5文型について徹底的に学習したい方は以下のカテゴリ一覧を確認してみてください。5文型の英文解釈で絶対に知らなければならない美味しい情報が手に入ります。
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